■ベーブ・ルースと並ぶ存在に

 その真摯なスタイルを継ぎながらも、前人未到の二刀流として開花しつつある大谷。打者としてはイチロー以降、メジャーで成功した日本人打者は松井秀喜を除けば、青木宣親、川崎宗則など小回りのきく選手ばかりだが、大谷はその歴史も塗り替えようとしている。「松井にしても、アメリカでは決してホームランバッターではなく、中距離ヒッターと認識されていました。メジャーでは、日本人は“大砲”にはなれないと考えられていたんです」(福島氏)

 しかし、大谷は193センチ、92キロという恵まれた体でホームランを量産できることは、すでに証明済み。二刀流ゆえに投打単体の記録はそこまで伸びないかもしれないが、“記憶に残る男”としてメジャー史に名を刻むことは間違いない。「米国で今でも尊敬される“野球の神様”ベーブ・ルースは、通算9シーズンを二刀流で過ごしましたが、ちょうど100年前の1918年は20試合に投げ、13勝7敗・防御率2.22、11本塁打。同一年度で10勝かつ10本塁打を記録したのは、長いメジャー史でも彼だけです。大谷なら、早晩、これを更新できると思いますよ」(前出のスポーツ紙デスク)

 メジャーのファンは、記録もさることながら、その活躍がいかに鮮烈かという“記憶”も大事にする。「両方を兼ね備えたルースや、イチローが野球のファンにどれだけ愛されているかをみると、日本人でそうなれるのは、次は大谷しかいないでしょうね」(前同)

「技」のイチローから、力も技も兼ね備えたニュータイプ・大谷翔平へ。「永遠の野球少年」の魂は、確実に継承された。そして、大谷はベーブ・ルースを超える“21世紀の神話”となるべく、唯一無二の道を歩いて行くのだ。

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