■御嶽海は負けを発奮材料に変えてほしい

――先場所まで“大関候補”といわれていた御嶽海(25)は、久しぶりの負け越しです。

高 ちょっと残念だね。今までずっと勝ち越してはきたけれど、大関に上がるためには、9番、10番をコンスタントに勝たないと、「大関へ」という雰囲気が出てこないんだよ。彼には、この“負け”を発奮材料に変えてほしい。相撲は勝っていても覚えないんですよ。相撲は「負けて覚える」ものだから、これを“チャンス”と捉えられれば、伸びていくんじゃないかな。

 そういう意味で面白い存在なのが、前頭2枚目まで番付を上げてきた阿炎(24)。相撲はちょっと中途半端なんだけど、突き押しの相撲に勢いがある。長身(187センチ)で手脚が長いし、もう少し体重が増えれば、さらに面白いと思う。今場所が初めての上位挑戦でしょう。この地位で8番勝てれば上出来です。

――高砂部屋期待の朝乃山(24)は、いかがでしょう?

高 まだ、立ち合いが甘いなぁ。当たって、突いたり押したりができるようになってきたから、その部分を強化してほしい。当たりの強さがなかったら、幕内では通用しないし、上位には行けないんです。そういったことを、私は朝乃山に何度も言ってるんだけど、分からないヤツは結局、何度言っても分からんのよ。だから、私は間を空けて彼にアドバイスしてます(笑)。

――2人の新十両力士も楽しみな存在ですね。

高 白鷹山(23)と、若隆景(23)ね。“山形のシロクマ”こと白鷹山は先場所、幕下東筆頭で6連勝して、7戦全勝で幕下優勝してもおかしくなかった。(敗れた)最後の一番はもったいなかったなぁ。大きな体(185センチ、161センチ)を生かした相撲が取れているのがいいね。

 荒汐部屋の“大波三兄弟”の三男坊・若隆景は運動神経がよくて、相撲がうまい。攻めのポイントが分かっているんだけど、もう少し体が大きくならないとな(119キロ)。力士というのは、大は小を兼ねるけど、小は大を兼ねないからね(笑)。どうしても、体が大きいほうが有利なんですよ。

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