■肉や卵などタンパク質を摂り、睡眠時間を確保
肝臓についても考えたい。『肝臓病』(主婦の友社)などの著書がある野村喜重郎・野村消化器内科院長に「健康的な飲み方」を聞くと、「基本的に“ホロ酔い”程度の酒量を守り、しっかり休肝日を作る飲み方をしていれば、依存症や悪酔いになりません」
そのうえで、悪酔いしないために「アルコールを、なるべくゆっくり吸収できる飲み方をすべき」と言う。「アルコールが急に回ると、悪酔いしやすいんですよ」
アサヒ広報部と同様の話に思えるが、少し違う。心身へのダメージを和らげるには、“胃に何かを入れること”が重要なのだという。「アルコールは、胃でも吸収されますが、大部分は小腸で吸収されます。“空きっ腹で飲むと酔いやすい”と言いますが、これは胃が空だと、アルコールが直に腸へ流れ込む結果。何か食べておけば、胃門が閉じ、アルコールが胃に留まる時間は長くなる。腸での吸収までに時間がかかり、悪酔いしにくくなります」(前同)
胃での滞留時間は、炭水化物より、タンパク質や脂質のほうが長い。ゆっくり飲みながら、“炭水化物もの”でない枝豆などのツマミをたしなむのだ。「肝臓は他の臓器と比べても、細胞再生能力が高い。肝臓病患者には、細胞を再生させるため、まず安静、そして肝細胞の素となる高タンパク食が一番の薬ともいわれます。よく飲む人は、肉や卵など良質なタンパク質を摂り、睡眠時間をしっかり確保しましょう」(同)
人生を台無しにしないよう、お互い、良い酒を!