がんに効く「100の方法」予防策から病院選びまでの画像
がんに効く「100の方法」予防策から病院選びまでの画像

 今や日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる時代。特に、男性は生涯でがんにかかる人が62%もいるため、がんはもはや“日本人に最も身近な脅威”となっている(女性は46%=国立がん研究センター調べ)。いったい、どうすればがん罹患を避けられるのか。また、いざ、がんになったら、どうすればいいのか。10人いれば10人とも体質が違うように、その予防と対策も異なると言える。そこで、がんを防ぐために知っておきたい100の方法を徹底収集した!

■がんは予防できない病気ではない

 ひと昔前と比べて治癒率が上がっているとはいえ、まだまだ“死に至る怖い病気”と言えるがん。部位によって治療法も治癒率も異なり、膵臓や胆嚢、胆管がんは5年生存率が25%以下と、かなり低い。ただ、医療ジャーナリストの牧潤二氏によると、「がんは決して予防できない病気ではない」と言う。「疫学調査や細胞レベルの研究で分かった“がんのリスク”を取り除き、プラスに働く食生活などを心掛ければ、大幅にがんリスクを軽減することができます」

“がんのリスク”と聞くと、タバコや紫外線、発がん物質などを思い浮かべるのではないだろうか。これらの“リスク”に共通するのは、発生した活性酸素(フリーラジカル)が遺伝子(DNA)を壊し、がん細胞を発生させるという点だ。つまり、がん予防は、このリスクを知ったうえで、生活をコントロールする必要があるのだ。

 とはいえ、『がんは8割防げる』(祥伝社新書)などの著書がある新潟大学名誉教授(医学博士)の岡田正彦氏によると、がんのリスク要因は多岐に及ぶという。「工場の煤煙や車の排気ガスも、がんを誘発する物質の一つです。工場や幹線道路の近くに住んでいる人は、空気清浄器などの使用をお勧めします」と居住環境との関係性を挙げれば、「魚もなるべく養殖は避けたほうがいいです。養殖サケは天然モノより、発がん物質のダイオキシンが10倍多いという調査データがあるからです」(前同)と言うように、食生活とも密接に関わっている。

■活性酸素を除去してくれる抗酸化物質

 そこで、「がんに効く」とされる情報を日常生活、体内、食生活、病院の4つの項目に分類してまとめてみた(文末参照)。一覧で見てみると、現代社会はがんを誘発する活性酸素発生源にあふれていることを実感させられるが、この活性酸素を除去してくれるありがたいものもある。抗酸化物質だ。食と健康の問題に詳しい田村哲彦氏(『壮健タムラ薬局』経営=薬学博士)によると、抗酸化物質は野菜や果物の色素や独特の香りに含まれているという。「トマトの赤い色素(リコピン)や、お茶の渋み(カテキン)、ナスの黒い皮(ナスニン)などが代表例です。もともと植物が紫外線などから我が身(種)を守るために作られた物質なのですが、これを人が食べると酸化を防ぐ抗酸化物質として働くのです」(田村氏)

 こうした抗酸化物質は皮の部分に多い。そのため、野菜や果物はできるだけ皮ごと食べるようにしたい。「長野県は健康長寿県として知られていますが、その要因の一つとされるのが長野産の野菜なんです。標高が高い場所で育つことで、抗酸化作用が高まるといわれています」(医療ジャーナリスト)

 積極的に口にしたいものには、意外なものもある。「からしには、人が備え持つ酸化防止酵素を活性化させるセレンが多く含まれるんです」(前同)

 食生活でいえば、意外と言えるのが文末「がんに効く!【食生活編】」の(23)だろう。これまで、和食こそ健康の素と信じてきた人も多いだろうが、「体に良いと思われている和食に比べて塩分量が少ないことが、意外な結果を生んだと考えられます。味噌汁や漬物の塩分は、侮れないということです」(同)

 日本食の意外なデメリット……固定概念を捨てて新しい情報を得ることも、がん対策の一つなのだ。

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