横綱・稀勢の里「引退危機」と相撲協会「復活」の行方の画像
横綱・稀勢の里「引退危機」と相撲協会「復活」の行方の画像

 奇跡の逆転優勝の代償に苦しむ日本人横綱の進退が心配される中、ブーム継続のための次なる一手が! もはや待ったなし!?

■貴乃花の乱や女人禁制問題などスキャンダル続き

 連日の満員御礼に沸く大相撲夏場所。盛況の中、相撲ブーム復活に貢献した日本人横綱・稀勢の里(31)に、引退危機が浮上している。「7場所連続休場は年6場所制以降、貴乃花親方と並ぶ最長ワースト記録。本人や周辺も、次の名古屋場所に進退を懸けると口にしています」(専門誌記者)

 もし引退となれば、横綱・日馬富士の暴行事件に端を発した“貴乃花の乱”や、土俵の女人禁制問題などスキャンダル続きの角界に、さらなるダメージを与えかねない緊急事態。稀勢の里の現状を、昨年2月の茨城県人会でも顔を合わせたという、元前頭三枚目の大至氏に聞くと、「新横綱として迎えた昨年大阪場所、13日に日馬富士に寄り倒され、左肩を負傷したにもかかわらず強行出場。奇跡の2場所連続優勝を果たしたわけですが、あのとき、しっかり休むべきだったと思います。でも、こうなった以上、次の名古屋場所までに、しっかり治すしかないでしょう。出場した場合の合格基準をあえて言えば、2ケタ(10勝)以上でしょう」

 今回の休場も、その日馬富士戦で痛めた左大胸筋が原因。一部では、この筋肉は切れており、長く休めば治るというものではないとの情報もある。また、心配されるのは、長引く休場からくるストレスだろう。綱取り時から、精神面の脆弱性が指摘されることも多かったが、「7度目でようやく綱取りに成功したことから、精神面が弱いのではないかとの指摘も聞きますが、私は逆に強いと思います。綱取りに6度失敗しても諦めなかったということですから。大胸筋は、稀勢の里のようにまわしを引きつけて取る四つ相撲の力士は、ケガしやすいと思います。逆に言えば、そこが完治しないと力が入らないので、強行出場しても結果に結びつかないでしょう」(大至氏)

 また4月に、貸していた年寄株『荒磯』が稀勢の里に返還されたことも、引退が近い証拠という。「いつ引退しても『荒磯』を襲名して部屋を興せる状況ですから。一部報道では、稀勢の里が秋葉原辺りで物件を探しているとの話もあります」(夕刊紙記者)

■相撲協会の土俵内外での秘策は奏功するのか

 こうした事態を、八角理事長(元横綱・北勝海)や相撲協会幹部は、どう考えているのか。稀勢の里引退による相撲人気の凋落は、避けたいところだが……。「新たなスターや横綱を作ろうと躍起ですよ」と断言するのは、ベテランの相撲ライターである。

 土俵上を盛り上げようと必死の協会だが、土俵外で起きた醜聞ヘの対応はどうなったのか?「暴力問題は協会が設置した第三者機関の再発防止検討委員会(委員長は元検事総長)が、過去の暴力に関連した力士も含め、約900人もの協会員への聞き取調査をほぼ終えた。さらにOBも含めた約1000人を対象にした暴力に関するアンケート調査も、7月末までに実施する予定です」(スポーツ紙記者)

 9月には具体的な聞き取り調査結果(中間報告)とともに、アンケート調査の結果も発表するという。「5月には力士、親方を集めて暴力の再発防止に関する研究会を開催。根絶をアピールしましたが、日馬富士の傷害事件にしても、被害者・貴ノ岩(十両)の親方である貴乃花が暴力事件で弟子・貴公俊が追放されないように“全面降伏”したことで騒動が終わっただけ。究明されたとは言えないでしょう」(前同)

 最後に、土俵の女人禁制問題だが、協会は4月末、相撲ファンに偏らない意識調査をすると発表。ただ、問題を先送りにした感は否めない。土俵内外での秘策は奏功するのか。注目だ。

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