中日・松坂大輔、自信が確信に変わる「完全復活の秘密」の画像
中日・松坂大輔、自信が確信に変わる「完全復活の秘密」の画像

 海の向こうで“二刀流”大谷翔平(23)が旋風を巻き起こす中、日本でも、予期せぬ“二刀流”の活躍が球界の話題をさらっている。「中日ドラゴンズの松坂大輔(37)が、5月20日の阪神タイガース戦に登板。6回を投げて1失点、7奪三振と上々の数字で2勝目を挙げました。そればかりか、4回裏には先頭打者として痛烈なレフト前ヒットを放つと、続く5回にも三遊間を抜き、2打席連続安打。なんとプロ入り20年目にして、初のマルチ安打を記録したんです」(スポーツ紙記者)

 シーズン前は「1勝できるかどうか……」という厳しい声も聞かれた“平成の怪物”。鮮やかな復活劇に、関係者からも驚嘆の声が上がる。「今春、球界のお歴々が集まる会合で松坂の話題になり、大の中日ファンであるNPBの熊崎勝彦前コミッショナーが“今年の松坂はどうですかね”と切り出したところ、錚々たる大監督、大選手たちも皆、渋い顔をしていました。しかし、ふたを開けてみれば成績こそ2勝3敗(5月24日時点)ですが、カットボールを軸にした“粘投”で、しっかり抑える投球は、打線が機能していれば、あと1~2勝はできた内容。現状は十分、合格点ですよ」(ベテラン野球記者)

■ソフトバンク時代は大きなプレッシャー

 現状の好調をもたらした要素は、二つあるという。「一つは、リハビリの成功。キャンプを視察した元中日の山本昌氏が、名古屋のテレビ番組で“キャッチボールを見ましたが、昨年とは比べ物にならないくらい、肩が回っていた。あれなら1勝でもすれば、そのまま5勝、5勝すれば10勝はいけると思った”と、復活への予感を語っていました。ソフトバンクに“支配下登録を外れる代わりに無期限でリハビリしてよい”という交換条件を出されていたのを蹴ってまで退団したのも、“これならやれる”という自信があったのかもしれませんね」(前同)

 そして、もう一つが、プレッシャーからの解放だ。「ソフトバンク時代の松坂は、故障もさることながら“メジャーで先発を張っていた”というプライドと、3年12億円という巨額契約、そして注目されるプレッシャーもあり、投げることに慎重だった。それが力の衰えを招いたんでしょう。1500万円の最低年俸での契約で、“1勝もできないだろう”という目を向けられた今季のほうが、精神的に開き直って投げられている。憑き物が落ちたような表情にも、それが表れていますね」(スポーツ専門誌記者)

■起用法に気をつけるべき

 ある程度、計算が立つことが分かれば、気をつけるべきは起用法だ。「中13日や12日でこわごわ起用するのをやめて、短期で回したほうが、意外と投球勘が鈍らなくていいのではないかと思います」(前出のベテラン記者)

 確かに、今季は前回登板から間が空くと内容が悪く、2勝は中10日、そして中6日の試合で挙げている。“完全復活”間近の松坂。つかみかけている“自信”が再び“確信”に変わるところを見せてほしい!

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