大谷翔平、投手と打者「どっちがスゴイ」?の画像
大谷翔平、投手と打者「どっちがスゴイ」?の画像

 前人未到の大活躍を続ける、“二刀流”の若きサムライ。投と打、一つに絞るとしたらどちらなのか。無粋は承知でその才能を徹底解剖しよう!

 投げては160キロを超える速球を中心に、多彩な変化球を投げ分けて相手を翻弄、登板7試合で4勝1敗、防御率3.35。打っては87打数27安打17打点、本塁打6本(数字はすべて5月24日時点)という堂々たる成績を収める、メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平。ペナントレースを4分の1消化した時点でも、なお高いレベルで「二刀流」の結果を残し続けている。

「ある程度通用するとは思いましたが、正直、ここまでとは。いやあ、恐れ入りました」(スポーツ紙記者)というように、ほとんどの人にとって想定外の大活躍なのだ。辛口で知られ、二刀流を長らく批判してきた張本勲氏でさえ、最近では、「今のバッティングを見ていると、私はちょっと訂正せないかんかもねえ。これは二刀流でもいけるんじゃないかと」と、発言を修正してきている。張本氏だけではなく、投手としても、打者としても、日本やメジャー球界から聞こえてくるのは、大谷に対する絶賛の声ばかり。

 だが、一部には「二刀流では、規定打席数にも規定投球数にも足りず、記憶には残っても記録に残らない選手になってしまう危険性がある」との声もある。「まあ、大谷自身がそうした記録にこだわっていないんでしょう。プロ入り当初から大谷の二刀流を支持していた落合博満氏が、5月6日の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で“みんな数字を追っかけているでしょ。(中略)大谷がピッチャーだけって言ったら、オレ、20は勝つと思っているから、米国でも。でも、それが彼の目的ではないの。彼の目的は、ピッチャーもやりバッターもやる、これがすべてなの”と語ったのが、大谷の気持ちに一番近いと思いますよ」(スポーツ紙デスク)

 とはいえ、それでも「投手・大谷と打者・大谷、どちらが凄いのか!?」と考えたくなるのも、また人情。ここは、高いレベルで共存する二つの能力のうち、現状ではどちらが高いのか、さまざまな角度から検証することにしよう。

■スカウトは投手として注目

 高校生の頃からメジャーに注目されていた大谷だが、当時はあくまでも投手としてだったという。「それまで日本人の長距離バッターの成功例がなかったこともあって、メジャーのスカウトは、あくまで投手としてのポテンシャルに注目していました」(前同)

 ところが、大谷を獲得した日本ハムと指揮官・栗山英樹監督の育成方針、そして本人の意向があいまって、日本で「二刀流選手」として成長することができた。そこで、きっちり投打両方で結果を出し続けてきたことで、「メジャーでも二刀流」というチャレンジが可能となったのだ。「日本にいた頃の大谷は、投手としては完成されていたけれども、打者としては未完成というイメージでした。ところが、メジャーでは逆になりましたね。打者としての能力が抜きん出ていて、投手としては、まだまだ修正点がたくさんあるというイメージです」と分析するのは、野球解説者の山崎武司氏。山崎氏によれば、大谷のバッティングで最も素晴らしいのは「対応能力」「修正能力」だと言う。

 大谷は、散々な成績だったオープン戦の頃は、日本で打っていたときのような一本足打法に近いタイミングの取り方をしていた。だが、それではダメだということが分かると、すり足打法に変えてみせた。そして、すぐに結果を出している。これは並の選手にできることではない、というのだ。「確かに、すり足に変えることでバットにボールを当てやすくなるんです。でも、その代わり、ボールに力が伝わりにくくなる。ところが、大谷はすり足に変えたのに、ちゃんと力がボールに伝わるように打っています。腕の長さ、体のバランス、そしてパワーが素晴らしいということなんだと思います。バックスクリーンにまで球を飛ばす技術は、本当に素晴らしいですね」(前同)

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