■コーヒーは自動販売機でなくタンブラー

 暑くなるこれからの季節、特に屋外で仕事をする人は自販機などで飲料水を買うことが多くなるが、これも「お金が逃げていく習慣」だ。「1本120円ぐらいだからと気軽に買ってしまいがちですが、1日1本で月3000~4000円。1年では4万円を超えます。コーヒーなどは家で用意して、タンブラー(小さめの水筒)に入れて持ち歩く。このほうが缶コーヒーを飲むより経済的なうえに、ずっとおしゃれです」(前同)

■100円ショップも要注意

 商品の品ぞろえが豊富で、1品100円の百均ショップを“立ち寄り所”にしている方も気をつけたい。「安いからと、つい、いらないものまで買ってしまう人が多いんです。百均ショップには、これとこれを買うとメモを持って行くぐらいの気持ちが必要です」(同)

 要は、金額が小さいからと、サイフの紐を緩めてはいけないということだ。

■酒は飲むなというわけではないが

 また、酒席にもお金が貯まらない習慣は当然ある。しかし、決して飲むなというわけではない。「私も嫌いではないので、仕事のつきあいなどで飲むのは大事だと思います。ただ、家計費や貯金を取り崩してまでだらだら飲むのは感心しません」(平野さん)

 飯田さんは気に染まない相手とはなるべく飲まない、もしくは二次会、三次会は断ることを勧める。「そういうお酒はおいしくないし、お金の使い方としてもよくありません。ただ、断るための言い訳は前もって考えておいたほうがいいでしょう」(飯田さん)

 中高年なら“親の介護をしなくてはいけないから”などだ。同年代の飲み仲間なら、身につまされて、あっさり解放してくれる。

 このようなお金が貯まらない人の“ダメ習慣”を取材していくと、多くの共通点が見つかった。文末の表組みがそれをまとめたものだ。また、取材の中で判明したのが、お金に嫌われる口癖である。表組みのNGワードを言っていないか、ぜひ確認してほしい。

■家賃や光熱費、通信費などを見直す

 さらに、お金を貯めるにはこうした悪習慣の排除に加え、支出の“抜本的な見直し”の必要もある(文末の表参照)。「支出には食費などの変動費と、家賃やローン、光熱費、通信費などの固定費があります。お金を浮かせるには、食費を切り詰めるより、固定費を見直したほうが、より大きな節約になります」(平野さん)

 最も簡単なのは通信費だ。「自分の通話回数やネットの接続時間を再考して自分に合ったプランにすることが大切です」(飯田さん)

 ある主婦は、携帯電話のネットを使い放題コースから使った分を払う段階料金制に切り替えて、毎月6000円だった費用を4000円抑えた。

 自分用にカスタムするのは保険も同じ。「保険会社は、なるべく保険料が高いプランを勧めます。しかし、独身で死亡保険を受ける相手がいない場合は、ここにお金を支払う必要性は少なく、ここを見直すことで保険料が下がります。営業マンのセールストークを鵜呑みせず、自分に合ったプランをしっかり考えて対応することが大切です」(平野さん)

 生活習慣も固定費の見直しも、どれも簡単なことばかり。ぜひ実践して財布をパンパンにしてほしい!

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