サッカー日本代表・西野新監督は“攻めない老将”?の画像
サッカー日本代表・西野新監督は“攻めない老将”?の画像

 世界最大のスポーツの祭典、サッカーW杯ロシア大会。日本は、6月19日のコロンビア戦が初戦となる。

 今回は、W杯2か月前の4月9日に前監督のハリルホジッチ氏が解任され、技術委員長だった西野朗氏(63)が緊急就任するという事態で注目を集めている。数多くのサッカー書籍を上梓しているスポーツライターの杉山茂樹氏がいう。「ハリルの解任理由として、選手とのコミュニケーションの問題が大きく言われましたが、本質はハリルが志向するサッカーと日本が求めるサッカーが、まったく合ってなかったことです。だから、西野さんが新監督になって、どんな選手選考がされるのか、大きな関心が向けられたわけです」

 縦にどんどん蹴り、肉弾戦で勝利し、ゴールをもぎ取ろうというハリル氏の“ゴリゴリ”のサッカー。前出の杉山氏も「どう考えても日本人には合わない」というスタイルとの“決別”が、選手選考に表れるはずだった。しかし、壮行試合となった5月30日のガーナ戦前に発表されたメンバーを見ると、「それがふたを開けてみれば、ほとんどハリルジャパンと変わらない人選。加えて、本田圭佑(31)、岡崎慎司(32)、香川真司(29)といったベテラン勢がそろって復活。保守的というか、少なくとも“攻めた”選考ではけしてなかったです」(前出のスポーツ紙記者)

■最も勢いある中島翔哉をなぜ選出しない

 結果、本大会の最終メンバーにもベテラン勢が残った。西野監督のメンバー発表には、サッカーファンからは多くの不満が噴出したのだが、最も疑問視されたのは、MF中島翔哉(23)が選ばれなかったことだ。「中島は昨夏、FC東京からポルトガル1部の『ポルティモネンセ』に移籍。左MFでレギュラーを確保し、最終的には10ゴール、12アシストという素晴らしい結果を残しました。点を取れるMFとして、すでに各国の強豪クラブが彼の獲得に動いており、現地紙によると、中島の移籍金は27億円にまで跳ね上がっているそうです」(前同)

 この評価額は日本人選手で断トツ。サッカー先進国のトップクラブが「欲しい」と要望する逸材を、西野監督は選ばなかったのだ。「西野さんは当初、中島選手を選ばなかった理由として、“ポリバレント(多機能性)がなかった”と言いましたが、ポリバレントとは選手自身が見つけるものではなく、選手を起用する監督のほうが見つけるものです」(杉山氏)

 ゴリゴリのハリルとは真逆の、俊敏性を生かしたサッカーを体現できるのが164センチ・64キロの小兵・中島だったと杉山氏は続ける。「“柔よく剛を制す”。牛若丸のような中島選手が、対戦国の大男をキリキリ舞いさせてゴールを決める。それが、彼が就任会見で言った日本的なサッカーだと思うんですが。なんとも期待感の乏しいメンバーになってしまいました」

“攻め”の姿勢を持たず、座して死を待つだけだとすれば、その先に待つのは日本サッカーの暗黒時代だ。

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