マウレアとともに挑んだ牝馬クラシック第2弾のオークスは、掲示板を確保する5着。結果だけを見ると桜花賞と同じ着順でしたが、馬の力をすべて引き出せたという点においては、オークスのほうが上でした。2つのレースを比較してみましょう。まず、桜花賞です。17番枠からスタートし、なんとか内に潜り込もうとしましたがかなわず、外から1番人気のラッキーライラックを見ながらレースを進め、勝負をかけたのは最後の直線です。しかし、あのときのマウレアには、外、外を回され、それでも上位馬を差し切るほどの力は、まだ備わっていませんでした。

――どう乗ったら、この上位馬たちとの差を縮められるのか。枠順は? レース当日の天気は? 馬場状態は? 展開はどうなるのか? ライバルたちはどこで、どう動くのか!? オークスを前にあれこれ考え、レースはその通り、ほぼ思い描いた通りの展開……向こう正面では、桜花賞3着馬のリリーノーブルが先頭から3番手を進み、その後ろに桜花賞2着のラッキーライラック。2頭を見る位置に桜花賞を制したアーモンドアイがつけ、僕とマウレアは、その後ろに控えるという、――勝てるとしたら、この展開だろう。という、理想に近いカタチで進みました。

――このままアーモンドアイにくらいつき、最後の直線で溜めた力を爆発させることができたら。賭けの要素は大ですが、賭ける価値は十二分にありました。実際、マウレアは懸命にくらいつき、ラストも、持てる力を全部出し切り、頑張ってくれました。外枠からの発走で、あれしかできなかった桜花賞の競馬と、やれることはすべてやったオークスの競馬では、同じ5着でも、中身はまるで違います。

――これで、勝負付けはすんだ? 今の段階では、その通りです。ただし、ひと夏を越して、どう成長するのか!? 秋はまた一からのスタートです。マウレアの成長を楽しみに待ちましょう。

■G1安田記念をリスグラシューで!

 今、僕がこの原稿を書いているのは、ダービーウィークの真っ最中です。結果がどうなっているのかが、ものすごく気になりますが、気持ちを切り替えて、今週末の競馬、「安田記念」に行きます。オグリキャップ、ハートレイク、ウオッカに続く、4度目の制覇を狙う僕のパートナーは、前走G1「ヴィクトリアマイル」を、あと一歩のところで逃したリスグラシューです。

「あそこまでいったら、勝ちたかった……」 レース後のコメントが、あのレースのすべてでした。今度は牡馬を相手に、どこまでやれるのか!? 不安はありますが、G1・2着はもういりません。4度目の正直――春の東京開催最後のG1を勝利で終わらせたい。そのためには何が必要か? ダービー後にゆっくりと考えます。

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