森山愛子
森山愛子

 昨年9月発売のご当地ソング『会津追分』がロングヒットを続けている森山愛子さん。曲の聞かせどころから、カラオケで上手に歌うコツ、そして知られざるプライベートや大好きな酒にまつわる秘話まで聞いた!

■王道演歌のご当地ソング『会津追分』がロングヒット

――昨年9月に発売になった、森山さん初のご当地ソング『会津追分』が、ロングヒット中だそうですね。

森山 そうなんです。今までにない手応えに、自分でも驚いているんです。

――発売から半年以上がたちますが、キャンペーンはどこも大盛況だとか。

森山 ありがとうございます。サイン会、握手会のときに「歌っているよ」とか、「カラオケ教室で習っているよ」とか、「発表会で歌います」など、声をかけていただけることが多くて。

――「聞いているよ」よりも、「歌っているよ」という声が多いんですか?

森山 先日、大阪のカラオケ発表会にお邪魔したら、107人の出場者のうち、11人の方が『会津~』を歌ってくださったんですよ。

――それはすごい。

森山 私も、ここまでとは思っていなかったんで、ビックリしました。

――きっと、歌いたくなる曲なんですね。

森山 皆さん、歌いやすいとおっしゃってくださるんですよ。けっして簡単な曲ではないんですけど、少し練習したらできるようになる上達ポイントみたいなものがいくつかあって、歌えるようになると、達成感があるのかもしれません。

――大人の悲恋を歌った、王道演歌ですが、最初に曲を聞かれたときの印象はいかがでしたか?

森山 これまでの歌が明るい曲調が多くて、特に前作の『待ったなしだよ人生は』はすごく明るい曲だったので、急に悲恋を歌えるのかとか、ファンの皆さんがどう思われるかなとか、いろいろ考えましたね。

――自分のものにするのに時間がかかりましたか?

森山 そうですね。でも、歌っていくうちに、どんどんこの曲にハマっていったんですよ。

――どうしてですかね?

森山 一番は、会津(福島県)の皆さんがとっても優しくて、ステキな方ばかりだったことでしょうね。実際に、会津に何度かうかがっているんですけど、行くたびに「会津の歌を歌ってくれてありがとう」って、言葉をかけてくださるんです。そんな会津の皆さんの気持ちに背中を押されて、もっとヒットさせたいって気持ちが、どんどん強くなっているんです。

――歌を通して、そういうご縁が生まれるのが、ご当地ソングのいいところなのかもしれませんね。

森山 そう思います。3番の歌詞に“東山”って地名が出てくるんですが、先日、その東山温泉に泊まらせていただいたんですよ。お酒を飲みながら食事をして、ふと外を見たら川が流れていたので、3番の歌詞って、こういうことかなって思って、それからはよりリアルな情景が浮かんでくるようになりました。

――歌っていてグッとくるフレーズはありますか?

森山 自分は“死ぬよりつらい”とまで思うような恋の経験は、まだないんですけど、自分と同じだなと思うのは“惚れたら一途”っていうところですね。

――その前に、“ばかね女は”とつきますよね。

森山 あ、そこも同じですね(笑)。ばかだなと思うけど、一途にしかなれない。そこは本当に同じなので、グッと気持ちが入ります。

――女性として、いろんなご経験もされた今だからこそ、歌うことができる曲なのかもしれませんね。

森山 15歳のときに私を見いだして育ててくださった水森英夫先生が、いろんなタイミングを考えて、この曲を今の私にくださったんだと思うと、本当に感謝しかありませんね。

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