田中圭
田中圭

 男同士によるラブストーリーを描いた、テレビ朝日系土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』。ついに迎えた最終話で、田中圭(33)が演じる春田創一が、覚悟を決めた男の顔を見せた。

 恋人の牧(林遣都/27)と別れた1年後、春田は黒澤部長(吉田鋼太郎/59)と同棲しており、さらに結婚の約束まで話が進んでしまう。勢いで部長と結婚式を挙げようとした春田だったが、式の最中に牧への気持ちを自覚し、とまどう。また部長も、そんな春田の本当の気持ちに気づいており、春田を牧のもとへ送り出すのだった。

 式場を飛び出して牧を探し出した春田は、牧に自分の想いを告白するが、牧はここでも春田の幸せを思い身を引こうとする。だが、ここで春田は、自分の幸せを勝手に決めつけるなと言い放ち、そのまま牧にプロポーズしたのだった。

 これまで天然な“モテ”で、周りを振り回してきた春田だったが、最終話ではついに男を見せた。部長に背中を押されて走り出した春田だったが、途中で片方の靴が壊れてしまう。しかし、それでも走るのをやめず、ひたすら牧を求めて駆けていく。応援上映のイベントがあれば、きっと会場には割れんばかりの春田コールが起こっていたはず。ひたすら応援したい気持ちでいっぱいになる、名シーンだった。

 そして大通りの向こうに牧を見つけた春田は、一心に「牧! 牧!」と叫んだ。つきあっていたときにも、甘え声で「牧~」と連呼していた春田だが、それとは違う力強いトーン。道を挟んだまま愛を告白し、春田はそのまま大通りを渡ろうとした。

 第4話で牧の元彼である武川(眞島秀和/41)が、異性愛者の春田を「あっち側の人間」とたとえたことがあった。それが伏線だったと考えると、春田が自分の意思で牧のいる側に行ったという演出は、非常に重要だったのではないだろうか。

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