世界遺産に登録された寺社仏閣を多く抱え、観光地として名高い京都。2016年には外国人観光客の宿泊客数が、322万人を超え、今もブームが続く古都だけに、観光に携わる人々はうれしい悲鳴……と思いきや、すべての人々がウハウハではないという。「問題は中国人や韓国人が違法に営業する“白タク”です。京都に来る外国人観光客の中心は、中国人や韓国人。彼らを狙った違法タクシーが幅を利かせて、商売上がったりですよ」(市内のタクシー運転手)
そう、被害をこうむっているのは、観光名所を案内するタクシー運転手たちなのだ。しかも、白タクは京都だけの問題ではない。「福岡や大阪など中韓からの観光客が多い地域で、白タクが拡大しています」(国土交通省関係者)
日本での白タク行為が急激に広まった経緯にはSNSの普及があるという。「スマホのアプリを利用して手配するようです。また目印として、ナンバーの下1桁を中韓の人々が好む“6”や“8”といった数字にしています。料金は、正規のタクシーは30分2550円なので8時間で4万円を超える。白タクの料金は1日約3万円なので、価格競争では勝てません」(タウン誌記者)
むろん、取り締まりの対象として、国土交通省関係者や警察が連携して摘発しているが、敵もさるもの。「事情聴取に動いても、親戚や友人を乗せているだけと主張。しかも最近は、日本入国前に自国内でのタクシー予約サービスを通じて予約や決済が行われているため、現金の受け渡しもないので、現場を押さえるのが非常に困難なんです。当局も疑わしいナンバーを押さえるなど努力していますが、いたちごっこで抜本的解決にはほど遠いのが現状です」(捜査関係者)
しかも、違法な白タクの脅威は、20年に開催される東京五輪まで続くのでは、と懸念されている。「外国人観光客が激増するオリンピックでは、京都でノウハウを学んだ中韓発の白タク業者が、さらなる利益を見込んで東京に進出するのは、間違いないでしょう」(国土交通省関係者)
外国人観光客にとって母国語を話す白タクの運転手は利用しやすいかもしれないが、大きな問題もある。京都タクシー業務センターの担当者が警鐘を鳴らす。「やはり“白タク行為”は違法であり、運転手が二種免許を保持していないことが問題です。正規のタクシー運転手は運転のプロ。安全上の問題からみても、白タクの横行は許せるものではありません」
法律上は真っ黒な白タク。追放できる日は来るか。日々刻々と変化する状況を、世界中が固唾を飲んで見守っている。