■トリプル3達成の山田哲人と柳田悠岐

 さて、筒香に次ぐ“メジャー打者候補”は誰か。前出の福島氏の「機動力と守備力を兼ね備えたラインドライブヒッター」という条件に当てはめれば、3割、30本、30盗塁の“トリプル3”を達成した山田哲人(ヤクルト)と柳田悠岐(ソフトバンク)の名前を挙げないわけにはいかないだろう。

 まずは15、16年と2年連続でトリプル3を達成した山田だが、昨季は突如としてスランプに陥り、少し評価を下げた。「執拗な内角攻めで、腰が引き気味になったことで調子を崩し、昨季はいいところがありませんでした。今年も、開幕当初は安打が出ずに苦しみましたが、5月半ばから調子を上げ、3度目のトリプルスリーも射程圏内というところまできました」(ヤクルト担当記者)

 前出の藪氏も、「調子のいいときの山田なら、メジャーでも成功するはず」と太鼓判を押す。まずは復活、メジャーはそれからの話というのが山田の現状だろう。

 一方の柳田については、藪氏は「現状でメジャーが欲しがる打者」という評価をしている。「メジャーで通用する第一の条件は、スイングスピードです。筒香もそうですが、柳田の魅力も、まさにその速さにあります」(藪氏)

 確かに、柳田の豪快なスイングは見た目にも“華”があり、メジャー級のパワーとスピードを感じさせるが、素人目には、あんなフルスイングでメジャーの球に対応できるのかという疑念も拭いきれない。しかし、「プロ入り8年目で通算打率が3割を越えていることからも分かるように、ミートのうまさは抜群です。王貞治会長も、“あれが彼のタイミングの取り方”と、絶賛しているほどです。メジャーでも通用すると思いますよ。まあ、球団が行かせるかどうかは別の話ですが……」(ソフトバンク球団スタッフ)

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