■西武ライオンズの秋山翔吾と山川穂高も注目

 その柳田に負けず劣らず評価が高いのが、プロ野球シーズン最多安打記録(216本)保持者、西武の秋山翔吾だ。最多安打と聞くと、どうしてもアベレージヒッターという印象を持ってしまうが、秋山の昨季の本塁打数は25本。れっきとしたスラッガーである。実は、この秋山と柳田は同い年で、2人とも2011年にプロ入りしているが、そこには、こんな逸話があった。前出のソフトバンク球団スタッフが言う。

「2010年10月のドラフト会議でソフトバンクは柳田を2位指名したんですが、ドラフト当日まで、秋山とどちらを指名するか意見が割れていたんです。最終的には王会長が柳田の野性的な魅力を買って決断したようですが、実は王会長、八戸大に入った頃から秋山に注目していたそうで、地方の大学リーグにもかかわらず、ずっと調査していたんです。だから、相当悩んでいましたね」

 それだけの選手なら間違いないはず。本人は「僕はメジャー向きの選手ではない」と言っているようだが、「あれだけのミート力とパンチ力に加え、得点圏打率も非常に高い。おまけに俊足と守備範囲の広さも一級品です。メジャーのスカウトが放っておくはずがない。タイプ的には青木宣親と似ていますが、メジャーに行けば確実に、青木以上の数字を残せると思います」(スポーツ紙米駐在記者)

 さて、秋山と同じ西武で今、絶好調の山川穂高も注目すべきスラッガーの一人だろう。今のペースでいけば今季、50本塁打、150打点も夢ではない。「昨季前半まで苦しんでいた変化球にも対応できるようになった。パワーがあるだけに、メジャーも注目しているはず。近い将来、メジャーに行ってもおかしくない逸材ですよ」(デスク)

 メジャー挑戦に寛大な西武だけに期待は膨らむが、今季の牧田和久、来季の移籍が濃厚な菊池雄星に加え、秋山や山川も流出となったら……。球団は戦々恐々といったところだろう。

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