今週から夏の北海道シリーズが始まる。幕開けの函館メインは芝6Fの戦い、「函館スプリントS」だ。昨年の勝ちタイムが1分6秒8。それまでのレコードを、なんと1秒も上回った。とても洋芝コースと思えない高速決着だったが、今年はどんな馬場になるのか。馬場状態のチェックはとても重要になる。

 開幕週だけに、ひとまず速い決着を予想しているが、主役を努めるのはここを目標に乗り込んできたダイアナヘイローだ。昨夏の活躍はまだ記憶に新しい。休み明けを2着したあと、6月の阪神戦から一気に4連勝。500万からG3北九州記念を制するまでに至った。夏場に強い体質がもちろんプラスに働いたが、それ以上に武豊とのコンビ復活でスピードのコントロールが利くようになったことが大きい。4連勝の内訳は逃げ切りあり、先行抜け出しあり。まさしくテンよし、中よし、しまいよしでスプリント能力をフル発揮させていた。秋のG1スプリンターズSは連戦の影響でブービーの15着に終わったが、再出発した今年2月のG3阪急杯を逃げ切って2つ目の重賞制覇。夏限定ではない地力強化を如実に示した。

 ここへの立ち上がりは早く5月13日にCW追い。16日には6F83秒0の時計が出た。20日には坂路で53秒4。30日も坂路で52秒0-12秒0の好時計が出ている。2週前時点でこの素軽い動きだ。輸送にも問題のないタイプだから、今夏も活躍を期待していいだろう。

 強敵は昨年の覇者ジューヌエコールだ。50キロの軽量だったとはいえ、2着馬に2馬身半の差をつける完勝劇。勝ち時計も前記したように1分6秒8のレコードだった。その後の秋競馬では期待を裏切ったが、本質的には夏馬なのかも知れない。栗東での中間調整も順調で30日には坂路で52秒8を馬なりでマーク。活気ある動きは好調時の姿だった。

■東京競馬場ではG3ユニコーンステークス

 同じ日曜日には東京でユニコーンSが行われる。3歳馬限定のダート重賞だ。全日本2歳優駿の覇者ルヴァンスレーヴに、2連勝中のレピアーウィットなど関東勢の層も厚いが、関西期待はグリムだ。今回と同じ東京1600万ダートの舞台で行われた青竜Sの勝ち馬で、負かした相手がスマハマだから価値がある。レースも好位から抜け出し、懸命に追いすがる2着馬を抜かさなかった。息の長い末脚はまさしく東京マイル向き。近年はこの青竜S組の活躍が目立つから狙ってみたい。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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