過去10年の宝塚記念で3勝、2着1回の好成績を残しているのが池江厩舎だ。今年は2頭出しで、ファン投票1位のサトノダイヤモンドが出走する。しかし、中間の気配は芳しくない。馬体にいい頃の迫力がないうえに、2週前追い切りでは併走馬に遊ばれる始末。坂路オンリーで刺激を与えているが、今回も大きくは変われないだろう。

 狙いたいのは、もう1頭のストロングタイタン。前走の鳴尾記念で初重賞を飾ったばかりだが、とにかくデキがいい。もともと夏場に強く、6月から9月上旬にかけての成績が飛び抜けている。これまでの7走で[5・1・0・1]の高勝率だ。勝った前走のレース内容を振り返ってみよう。揉まれる形になると他馬がインの好位を進み、直線も空いたインのスペースから抜けてきた。これまでと別馬のようなレースを可能にしたのがメンコと、チークピーシーズの装着だ。直前の坂路で50秒3-2F23秒8のベストタイムを出し、デキも上がっていたが、それにしても、この前向きな姿は以前にはなかった。“2頭出しは人気薄を狙え”という格言もある。同じ鳴尾記念勝ちから宝塚記念を制したラブリーデイの手は十分にある。

 対抗は香港のワーザー。早くから遠征計画があり、直前にひと叩きしてからの来日。2015/16年シーズンの年度代表馬であり、タフなレースができる馬。鞍上も乗り慣れたH・ボウマンなら期待度は高くなる。

 3番手の▲はステファノス。休み明けを叩いて、ここへ全力投球の構え。中間の気配はそれほど上向いてきた。リーディング独走の藤原英厩舎の勝負仕上げが怖い。★も同じ藤原英厩舎のパフォーマプロミス。急激に力をつけており、ブランク明けを叩いた効果にも期待できる。

 あと、ミッキーロケット。サトノクラウン、ヴィブロス、ゼーヴィントが押さえの△。折り合い面で疑問を残すキセキは無印とした。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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