■選手やコーチ陣への批判を繰り返し…

 もちろん、金本監督にも言い分はあるだろう。何しろ阪神の現在のチーム打率はリーグ最低。いくら防御率がリーグトップでも、点を取らなければ勝てないのが野球というスポーツ。「ここまで打てないとなれば、スクイズに頼りたくもなるでしょう。でも、自分の作戦を棚に上げ、選手批判を繰り返すのはいただけない」(前出の専門誌記者)

 だが、ここにきて金本監督の批判の矛先は選手だけでは止まらなくなっている。6月10日、2-3でロッテに負けた後の発言はこうだ。「投手が1点以下に抑えないと勝てない状況が、ずっと続いている。(各打者が)それぞれ工夫しないと。コーチがしっかり指示を出すとか、どうにかしないといけない。投手は踏ん張ってるんだから!」

 チームの指揮系統のトップにある自らの責任は捨て置く、コーチ陣批判。にもかかわらず、都合よく利用するときには利用する。鳥谷敬の連続試合出場記録が1939試合で途切れた5月29日のソフトバンク戦、彼に今日の出場がないことを伝えたのは片岡篤志一軍ヘッド兼打撃コーチだったという。「先日亡くなられた鉄人・衣笠祥雄さんの記録を超える可能性もあった日本歴代2位の記録やで。普通、そんな偉大な記録を止めるときはトップが伝えるべきちゃうかな。貶され、使われ、仕事とはいえ片岡もムカついてるんちゃうかな」(在京の阪神ファン)

 迷采配に責任転嫁……阪神の場合、チームの不協和音はすべて、金本監督が発信源であるように思えてくるから恐ろしい。前出の藪氏が言う。「阪神の選手を今のままにして、トップの金本監督を“掛布に替えれば、優勝できるんとちゃうか”と言ってる人もいますよ」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4