■日本はいくら負担するのか

 問題は日本が、どれだけ負担することになるのかだ。「1965年に韓国と国交回復した際、日本は有償と無償を合わせ、当時の韓国の年間輸出高の20年分に相当する賠償金を支払いました。その際、韓国政府は日本側に、“北朝鮮と統一した際の分も合わせた金額”の支払いを求め、その結果、それだけの賠償額になったという経緯がありました。以上を踏まえ、日本政府としては、北朝鮮への賠償金を突出して負担すべき義務はないという態度を示してきました。ところが、南北両国とも、そもそも朝鮮半島分断の責任は日本の植民地統治にあり、日本を最大のコスト負担国と見ているのが現状です」(前同)

 韓国と北朝鮮がタッグを組み、巨額の資金を日本からかすめ取ろうとしているというのだ。また、すでに南北両国から賠償や経済援助を吹っかけられている事実もある。前出の山村氏が、こう語る。「霞が関や永田町では当初、1兆8000億円という数字が弾き出されていました。おそらく、北朝鮮側から暗に伝えられていた数字だったんでしょう。ところが、その金額が、ここにきて2兆8000億円に跳ね上がってきているんです。しかも、拉致問題の解決にかかる費用がこの金額の中に含まれているかどうかといった詳細は不明。今後、北朝鮮が一切合切含めて日本に要求してくるとなると、さらに金額は膨らむでしょう」

 なんと強欲な国なのか。巷ではすでに賠償額「10兆円」という金額が独り歩きしているが、その根拠を前出の古是氏はこう語る。「1990年の金丸信元副総理の訪朝時、北朝鮮の経済立て直しなどに10兆円の援助が必要とされていたんです。その後、2002年の小泉(純一郎元首相)訪朝時、日朝平壌宣言で4.5兆円から5兆円という賠償額の枠組みが取り決められました」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4