これといった軸馬がおらず、難解な一戦となった。ファン投票1位はサトノダイヤモンドだったが、同馬はフランス遠征から不振が続いている身。登録馬中でファン投票数が2番目に多かったサトノクラウンは、ドバイシーマクラシック7着からの参戦。同じく3番目のキセキは日経賞9着からの参戦だ。

 今回、前走でオープンのレースを勝っている登録馬は、鳴尾記念勝ちのストロングタイタンのみ。準オープンを入れても、他にサイモンラムセスしかいない。実は、宝塚記念ではこのようなパターンがよくある。昨年も前走勝ち馬は1頭のみ。2011年も同様で、13年と14年は2頭だった。

 では「貴重な前走勝ち馬」が良いかというと、これがそうでもない。86年以降、前走勝ち馬が1頭もしくは2頭だったケースの成績を合算すると[2・3・4・14]で、良くもなく悪くもない。また、連対した5頭はすべて前走がG1かG2。今年の2頭では条件を満たさない。要するに、手軽なところを勝ってくるよりも、相手の強いところで負けてくる馬のほうが優位ということではないだろうか。「格>勢い」ということである。

 格のある馬たちについて調べてみると、天皇賞(春)については大敗してきてもいいが、他のレースから来る馬については、前走着順の良い馬のほうが好成績という傾向にある。しかし、今年は天皇賞(春)組にコース替わりで前進しそうな馬がおらず、他に国内G1組といえば、大阪杯7着でもまだ人気になりそうなサトノダイヤモンドだけ。

 そこで今回は、海外帰りの馬重視でいくことにした。まずは前走着順の良い◎ヴィブロス。ドバイターフで2年連続連対となれば、これはもう世界レベルの馬。今回のメンバーなら期待が高まるが、2200メートルという距離には不安がある。

 そこで◎に近い○としてサトノクラウン。近走のレース内容のレベルが落ちており年齢的な部分の心配があるが、梅雨時らしく雨が降れば一躍主役に躍り出る。

 香港から来る彼の地の元年度代表馬▲ワーザーも今年のメンバーなら通用しよう。前走のG2で6着というのは、叩き台と割り切った香港流の使い方なのでまったく気にする必要はない。

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