岡本和真「巨人軍第89代四番」ど天然モンスターの素顔の画像
岡本和真「巨人軍第89代四番」ど天然モンスターの素顔の画像

 今季いまいちパッとしない巨人にあって、輝いているのが若きスラッガーの活躍。“和製大砲”覚醒の裏側に迫る!

 巨人軍に新しいヒーローが現れた。昨年のホームラン王・ゲレーロや、長らく主軸を務めた阿部慎之助を押しのけて、巨人軍「第89代四番打者」となった若きスラッガー・岡本和真(22)だ。

 今シーズンの開幕戦、阪神との3連戦に「六番ファースト」で出場した岡本は、11打数5安打8打点、さらには2試合連続本塁打を放つ大活躍。4月12日の横浜戦で五番に昇格すると、マギー、ゲレーロ両外国人の不調もあり、6月2日のオリックス戦で、ついに四番の座を奪取。以来、不動の四番として君臨している。

「いいバッターになるとは思っていたが、これほど早く中軸を打てるようになるとは……」 こう旧知の記者に漏らしたのは、あの長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督だ。その素質の素晴らしさは認めていたものの、この成績は「正直、想定外」(長嶋氏)なのだという。このように今季の岡本のブレイクを誰も想像していなかった。

 岡本は、ドラフト1位で15年に巨人に入団。高校通算73本塁打という勲章をひっさげ、「次世代の和製大砲」として注目を集めた。しかし、その高い期待とは裏腹に、プロ入り後の3年間は鳴かず飛ばず。一軍通算35試合出場で、打率.188、1本塁打、6打点という寂しい成績だった。

 しかし、昨オフが岡本のターニングポイントとなった。巨人は、主力として活躍していた村田修一を戦力外にしたのだ。野球評論家の須藤豊氏は、「これは巨人首脳陣のヒット」と評している。「今年、岡本が“巨人の救世主”となったのは、まだまだ使える村田修一を放出したから。村田がいれば岡本は出られない。岡本を使うしかない環境を作った、巨人スタッフの英断の結果でしょう」(須藤氏)

 周囲が驚くほどの飛躍を見せた岡本だが、巨人の四番というプレッシャーのかかる立場になってからも、重圧を感じさせない。「もしも、マギーやゲレーロが復調したとしても、“岡本の四番は変えない”と巨人の首脳陣は明言しています」(スポーツ紙デスク)

 実は、岡本は四番という打順に、それほどのプレッシャーを感じていないのだという。それどころか、「四番だとネクスト(バッターズ・サークル)で、三番打者への配球が読めるから楽」とまで公言している。

 かつてソフトバンクの王貞治会長が、「ミスターの前で打つ(三番打者の)ほうが、なんぼか楽だ」と言っていたように、巨人の四番の重圧は、多くのスラッガーを悩ませてきた。岡本の活躍の陰には、そんな重圧を意に介さない性格の強さも影響している。「岡本はいわゆる天然系で、チームメイトにも愛されています。試合前の“グータッチの儀式”では、よく阿部慎之助に頭を叩かれたり、ほっぺたをつねられたりしていて、周囲を笑わせてますね」(スポーツ紙デスク)

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