安倍晋三首相の巧妙な戦術も…「カジノ誘致バトルロイヤル」の画像
安倍晋三首相の巧妙な戦術も…「カジノ誘致バトルロイヤル」の画像

 

 今国会中に成立の見通しとなったカジノ法案をめぐり、早くも誘致バトルが勃発。欲望渦巻く内幕レポート!

「審議不十分!」 本会議場に野党議員の怒号が飛び交う中、統合型リゾート施設(IR)法案、いわゆる“カジノ法案”が、6月19日に衆議院を通過。翌日には32日間の国会会期の延長が発表され、カジノ法案は参議院で本格的に審議入りした。モリカケ問題がいまだ燻ぶる中、安倍晋三首相は会期延長に踏み切ったのだ。「カジノ法案は当初、2020年の東京五輪に間に合わせるべく準備を進めてきましたが、野党の反発が強く、モリカケ問題で時間を取られたこともあり、審議が遅れに遅れてしまった。政府としては、もう待てないという判断だったわけです」(全国紙政治部記者)

 国会を1か月も延長し、参院での審議時間を設けたのは、安倍首相の総裁3選へ向けた巧妙な戦術も見え隠れしているという。「参院自民党は、9月の総裁選でキャスティングボートを握るといわれる竹下派の牙城です。安倍総理は、会期延長で参院での審議時間を確保することで、竹下派のご機嫌を取ったとも言えます」(前同)

 いずれにせよ、参院本会議を通過、成立することが決定的となったカジノ法案。同時に、各地では熾烈な誘致合戦がスタートすることになる。関連情報を配信するサイト『カジノIRジャパン』の運営会社「キャピタル&イノベーション」社長・小池隆由氏が言う。「すでに自治体の誘致レースは始まっています。上位3位に入らなければ負けになる熾烈なレースです」

 入場料だけでも6000円(外国人観光客を除く)と決まった“日の丸カジノ”は、香港の投資銀行が経済効果を年間4.7兆円と試算するほどのビッグビジネス。7.7兆円という別の試算もあり、最大で8兆円規模に達するとみられる。「収益の3割がカジノ税となります。年間8兆円なら2.4兆円の税収ですが、これを地元自治体と国が折半することになるんです」(財務省関係者)

 2.4兆円という税収は、消費税1%分を超える巨額マネーであるため、各自治体が目の色を変えるのも当然だろう。一方で、法案ではカジノ開設可能な地区は3か所に制限された。「カジノの誘致に名乗りを上げている自治体は判明しているだけで、18都道府県21市町村に及びます。3枠をめぐり、競争率7倍という狭き門となっているわけです」(前同)

 以下、列島が狂奔する“カジノ誘致バトルロイヤル”の最新事情をお伝えしよう。

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