■腸内細菌を元気にするために

 今回、話を伺ったもう一人の現役医師は、78歳の現在もなお、研究と講演で毎週のように全国を飛び回っている東京医科歯科大学名誉教授(医学博士)の藤田紘一郎氏だ。「回虫博士」として知られる藤田氏は、「腸内細菌」のスペシャリスト。健康長寿のために腸健康法を提唱し、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)など多くの書を上梓している。

「人が病気にならない=健康長寿のためには、体内で免疫力がよく働いていることが非常に重要です。そして、この免疫力の働きの実に約70%を腸内細菌がつかさどっているんです。これまでの研究では、100歳以上の長寿の人は、病気を起こすリスク遺伝子がないか、もしくは恵まれた体の持ち主だと推測されていました。しかし、2010年に発表された研究結果で、発病するかどうかの分かれ道は、リスク遺伝子の数ではなく、腸内細菌が元気かどうかによることが分かったんです」

 この腸内細菌を元気にするために、藤田氏自身が毎日食べているというのが「酢キャベツ」だ。「食物繊維が豊富で、がん予防効果成分も多く含むキャベツは野菜の中で特に優れもの。これにお酢を加えたものを摂ると、さらに腸内細菌が元気になることが分かってきているんです。毎日摂るとなると、手軽さや、安さも重要です。その点、キャベツをお酢に一晩漬けるだけで出来上がりという酢キャベツは、それらの条件も満たしていますからね」(前同)

 1日の目安は100グラム。藤田氏は食事の前に摂るという。食後では、お腹がいっぱいになり、あまり食べられないからだそうだ。あるテレビ番組で、この酢キャベツを出演タレント4名に2週間摂ってもらったところ、細胞活性化や炎症抑制、免疫力強化の効果のある腸内細菌が顕著に増え、腸内環境が大きく改善したのだという。

「他に腸内環境を良くする食材として挙げられるのが、ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品です。それに、これらに含まれる善玉菌のエサとなる食物繊維も大切ですから、野菜や果物も多めに摂りましょう」(同)

 加えて藤田氏は、健康寿命を延ばすために、日々の入浴についても気をつけていることがあるという。「腸の機能を活性化させるには、体を温めることが大切ですから、しっかり湯船に浸かるようにしています。シャワーだけで済ませては体が十分に温まりませんからね」(同)

 そして、岡田氏と同様、藤田氏も、適度な運動は欠かしていない。「万歩計をつけて、1日1万歩を目標に歩くようにしています。あとは、忙しくても週に1回はジムに行って、25メートルを5回、泳ぐようにしています。健康のためには快眠も重要。運動すれば体も疲れ、ぐっすり眠れますから大切なんです。50代半ばの乱れた生活をしていた当時より、今のほうが元気だと感じています。体重は10キロ減量できましたし、髪の毛も増えました(笑)」(同)

 こうして見ると、2人に共通するのは、毎日のいい食事と適度な運動。やはり、「ローマは一日にしてならず」ということであるようだ。健康で長生き、ピンピンコロリをお望みなら、このお二人の実践例をヒントに、今日から“ご長寿健康法”を始めてみてはいかがだろうか。何歳から始めても、遅すぎるということはないそうだ。

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