小栗旬
小栗旬

 鈴木亮平(35)が主役の西郷吉之助を演じる大河ドラマ西郷どん』も、ついに物語前半が終了し、7月15日の放送回から新章に突入する。今後の展開を語る前に、まずは前半最後の7月1日の放送回を振り返ってみよう。

 沖永良部島に島流しとなった吉之助は、憔悴しきっていた。島に暮らす藩士、土持政照(斎藤嘉樹/27)は座敷牢を用意し、吉之助が良い環境で過ごせるように尽力する。吉之助はこれに胸を打たれ、島の子供たちに学問を教え始めた。その頃、薩摩藩士がイギリス人を殺傷する「生麦事件」が発生し、イギリス艦隊が薩摩に向かうという事態に。大久保一蔵(瑛太/35)はイギリスと開戦することを進言し、沖永良部島にもイギリスの脅威が迫るが、吉之助と川口雪篷(石橋蓮司/76)、土持が中心となりイギリス来襲への備えを始めた。やがて薩摩がイギリスに勝利すると、吉之助に薩摩藩への召還命令が下り、吉之助は島の人間たちに感謝しながら島を去る。雪篷は去っていく吉之助に「革命」の二文字が書かれた旗を振り、見送るのだった。

 物語前半の締めくくりで「革命」の旗が振られるという演出に、ゾクッとさせられた。これから「革命編」に進む物語を後押しする、美しいシーンだったように思う。振り返ると、この放送回でスポットライトが当たった川口雪篷のように、これまでの『西郷どん』は歴史上の“マイナー偉人”をうまく描いてきた。切腹シーンで話題となった沢村一輝(50)が演じた赤山靭負など、登場回が少ないのに印象的な人物は少なくない。橋本愛(22)が演じた西郷最初の妻、須賀になると登場はわずか2週だったにもかかわらず、その美しさからネットの記事が乱立した。このように、これまではマイナーな偉人たちに実力派俳優を当てることで、“歴史の表舞台に出る前”の吉之助の半生を上手に描いてきたのである。

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