個人的な記録から、歴史に残るような大記録まで、競馬場では常に新しい記録が生まれています。6月をピックアップしてみると――栗東の須貝尚介調教師がJRA通算300勝。松山弘平騎手がJRA通算500勝。美浦の松山将樹調教師がJRA通算100勝。林満明騎手が、最後のレースでJRA障害競走2000回騎乗を達成。藤岡佑介騎手がJRA通算700勝。美浦の藤沢和雄調教師がJRA通算1400勝。津村明秀騎手がJRA通算400勝。福永祐一騎手がJRA通算2100勝を達成。以前にもお伝えしましたが、僕のJRA・G1競走500回騎乗というのもありました。

 ただし、記録は、いつも意識しているのかと聞かれたら、案外、そうでもありません。日本馬、日本人騎手初の凱旋門賞での勝利とか、三冠達成とかになると、そのレースに向けて、すべてのエネルギーを傾注しますが、騎乗回数や通算の勝利数は、あくまでその時点での目標であって、達成後は次の数字に切り替わります。その日のレースがすべて終わった後、それまで僕に関わってくれたすべての方、すべての馬に感謝しながらおいしいお酒を飲んだら、翌日からはまた、新しい挑戦へのスタートです。

 目下のところ僕の大きな目標は、あと23勝に迫ったJRA通算4000勝です。昨年4月にJRA3900勝を達成したときは、“遅くとも来春には”と思っていた数字ですが、ここにきてまた、競馬の難しさを味わっています(苦笑)。4000という数字は僕にとっては、ただの通過点。それだけに、一日でも早く通りすぎたい! というのが正直な気持ちなんですが……。こんなときは、慌てず、騒がず、初心に帰って、目の前のレースに集中すること、ですね。

■交流G1ジャパンダートダービーへ!

 季節は、いよいよ、夏本番! 暑い夏は、武豊の季節です。通算勝利数は、増えることはあっても減ることはない数字ですから、――そのうち、達成できるだろう。というくらいの余裕を持って、レースに臨みたいと思います。

 そのスタートは、11日、大井競馬場で行われる交流重賞Jpn1「ジャパンダートダービー」です。僕は、このレースが創設された1999年の第1回から参戦(パートナーはアドマイヤマンボ、4番人気8着)していて、優勝回数は3回。03年のビッグウルフでの勝利はハナ差でしたが、あとの2回、02年のゴールドアリュールは7馬身差、05年のカネヒキリは4馬身差の圧勝でした。

 一昨年のケイティブレイヴ(2着)以来、2年ぶりの参戦となる今回のパートナーは、デビューから5戦すべてダートで、3勝・2着1回・3着1回のドンフォルティス。ダート王に駆け上がるだけの素質を秘めた3歳馬です。ここを勝って、僕も一気に上昇気流に乗りたいところです。

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