松坂大輔が狙う「クライマックスシリーズ進出」と「タイトル獲得」の画像
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 ファンも評論家も見放したベテラン投手が、なぜ活躍できたのか? ドン底から蘇った怪物の真実に迫る!

◎怪物・松坂大輔 NPB全成績とタイトル獲得の歴史

  • (年度 所属 勝利 敗北 奪三振 防御率 獲得タイトルなど)
  • ●1999 西武 16 5 151 2.60 新人王、最多勝、ベストナイン、Gグラブ
  • ●2000 西武 14 7 144 3.97 最多勝、最多奪三振、ベストナイン、Gグラブ
  • ●2001 西武 15 15 214 3.60 沢村賞、最多勝、最多奪三振、ベストナイン、Gグラブ
  • ●2002 西武 6 2 78 3.68
  • ●2003 西武 16 7 215 2.83 最優秀防御率、最多奪三振、Gグラブ
  • ●2004 西武 10 6 127 2.90 最優秀防御率、Gグラブ
  • ●2005 西武 14 13 226 2.30 最多奪三振、Gグラブ
  • ●2006 西武 17 5 200 2.13 Gグラブ
  • ●2016 ソフトバンク 0 0 2 18.00
  • ●2018 中日 3 3 35 2.41 ※前半戦終了時の成績

■ソフトバンクから中日ドラゴンズに入団して

「平成の怪物」の復活を、多くの人が待ち望んでいたということだろう。今年のプロ野球オールスターのファン投票。中日の松坂大輔(37)が39万4704票を獲得し、セ・リーグ投手の先発部門で圧倒的1位に輝いたのだ。これは同情票ではない。メジャーから日本復帰して4年。ソフトバンク時代には、わずか1イニングしか投げられなかった松坂が、今季はすでに3勝。中日の先発の一角として、見事な復活を遂げているのだ。

 今シーズンの開幕前、球界全体が“松坂はもう終わり”というムードに包まれていた。「もう復活の目はないと判断したソフトバンクは、松坂に育成コーチというポストを用意。しかし、現役にこだわる松坂はこれを拒否しました。そこに救いの手を差し伸べたのが中日の森繁和監督。戦力補強というよりも、球界の功労者を救いたいという“男気”からの獲得だったようです」(スポーツ紙デスク)

 松坂は、今年1月にテストを受けて中日に入団。このテストも、「投げることさえできれば合格」という形ばかりのもので、期待値は極めて低かった。専門家たちも厳しかった。それを象徴するのは、3月19日に開かれた故・星野仙一さんの「お別れの会」での出来事。控室で熊崎勝彦元コミッショナーと、大御所のプロ野球OBたちが松坂について話したという。「中日ファンの熊崎さんが“松坂は今年どれくらいやれそうですか?”と聞くと、監督経験者のOBたちは“1勝できれば御の字”と口をそろえたそうなんです。これを聞いて、熊崎さんはがっくり肩を落としていたとか」(スポーツ紙記者)

 しかし開幕後、評価は一変する。松坂は4月5日の巨人戦で初先発し、3戦目となる30日のDeNA戦で日本球界で12年ぶりとなる勝ち星をマーク。それ以降も間隔を空けつつ先発ローテに入り、7試合に登板して3勝3敗。貯金こそないが、防御率2.41という数字がピッチングの安定度を物語っている。

 誰も予想できなかった松坂の復活劇。その裏側には、近年悩まされてきた右肩の回復があった。昨年、肩の痛みに悩んでいた松坂は、オフを利用して、日本中の病院や治療施設を回っていたという。「松坂は、北海道で出会ったあるマッサージ師の治療を受けたところ、“肩がハマった”のだそうです。これで肩の状態が劇的に改善。問題なく投げられるようになったといわれています」(事情通) 右肩の違和感がなくなり、松坂のピッチングは輝きを取り戻したのだ。

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