■CS進出のカギを握るのは?

 高校時代から松坂をよく知り、プロ入り後はチームメイトでもあった元西武の長田秀一郎氏は、こう分析する。「ソフトバンク時代のフォームは、痛む肩をかばうあまり、体の開きが早くなっていました。それが今では左側に壁を作って投げられています。球威こそ全盛期に及びませんが、カットボールを中心に、際どいコースをついて、打者のポイントをうまくずらしていますよね」

 また、ある球界大物OBも、今季の松坂の投球テクニックに注目していた。「元巨人監督の堀内恒夫さんが“勝てるコツを熟知している”と絶賛していたんです。球威に頼らずとも、バッターを凡打にする高い技術を評価しているようでしたね」(前出のスポーツ紙デスク)

 円熟期を迎えた怪物は、「経験」という新たな武器を手に、オールスターのマウンドに返り咲いたというわけだ。

 ただ、ペナントレースは後半戦も続いていく。現在下位の中日であってもCS進出の可能性は十分にある。中日浮上のカギを握るのは、もちろん松坂だ。「中日は先発投手がコマ不足。CS進出には、安定感のある松坂は欠かせない戦力です。体調さえ崩さなければ、前半戦並みの登板機会はあるはず。10勝は厳しくても、貯金は作れると思います」(前同)

 そして松坂がケガなく先発ローテを守り、勝ち星を重ねることで見えてくるのは、中日の上位進出だけではない。「松坂がこのままコンスタントに活躍すれば、ケガや不振を乗り越えた選手に贈られる『カムバック賞』受賞はまず間違いないでしょう。久々のタイトル獲得に期待したいですね」(同)

 前出の長田氏も、松坂の後半戦に太鼓判を押す。「全盛期の松坂大輔は、6~7割の力でも、普通の投手の9割レベルでした。逆に言えば、松坂が6~7割でも投げられれば、十分に結果が残せるということ。大きな故障さえなければ、後半戦もやってくれるはずです」

 怪物の活躍に、胸を熱くする野球ファンも多い。その復活劇は、これからがクライマックスだ。

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