玉山鉄二
玉山鉄二

 熱い男たちのやりとりが続いている、鈴木亮平(35)主演の大河ドラマ西郷どん』(NHK)。このところ、なんだか朝ドラ化してないか? そう感じたのは、先週の放送回だった。朝ドラも大河もNHKの看板ドラマで、キャスティングの親和性は昔から高いのだが、ちょっと先週の回は物語よりも役者起用に目がいってしまうほど「朝ドラ」だった。どういうことだろう? まずは7月22日、第27回の放送を振り返ってみよう。

 物語は吉之助と物乞いのやりとりから始まった。その物乞いの正体は桂小五郎(玉山鉄二/38)で、後日、桂は吉之助を訪ねて、一橋慶喜(松田翔太/32)に会わせてほしいと頼み込む。しかしその後、吉之助は慶喜暗殺の犯人に、薩摩藩士の人斬り半次郎(大野拓朗/29)の名前があがっていることを耳にする。その半次郎は、若き日の吉之助が救った幼い少年の成長した姿だった。そんなときに池田屋事件が発生し、倒幕派の長州藩士が殺される。これにより長州藩は挙兵し、吉之助が率いる薩摩藩は幕府側として兵を出し、長州藩と相対するのだった。

 唐突に“朝ドラっぽい”という思いが去来したのではない。これには伏線があって、同じく日曜放送のドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)が開始当初から「朝ドラっぽい」と話題だったのだ。2017年上半期放送の『ひよっこ』から松本穂香(21)、伊藤沙莉(24)、宮本信子(73)ら数人がキャストに名を連ね、さらには17年下半期放送の『わろてんか』でヒロインの相手役を務めた松坂桃李(29)に、とどめは現在夕方の再放送でも好評を博している11年下半期『カーネーション』の尾野真千子(36)と、かなり“朝ドラ”なキャスト。加えて舞台が二次大戦中という時代設定もあいまって、「朝ドラっぽい」との声がネット上に散見されたのだ。

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