■肉もOK、魚もOK! 夕食は意外と難しくなかった

 さて、仕事が終われば、会社を出て晩ごはん。昼飯のときに食べるものが見つからなかった苦労を考えると、夕食にはさらなる困難が待ち構えているに違いない。……と、構えていたのですが、いざ晩ごはんの献立を考えると、実はさほどグルテンフリー食も難しくないことに気づきました。

 前述のように、フライ、粉物、麺類などはダメですが、「ご飯と味噌汁とおかず+1品」という、日本風のご飯だったらかなりイケるんです。ぼくもグルテンフリー生活中は、豚肉の生姜焼き、麻婆豆腐、牛タン、刺し身、焼き魚、八宝菜、海鮮丼、スペアリブなどなど、14日間、一度も晩ごはんのメニューは被らないでこなせました。なお、竜田揚げは小麦粉じゃなくて片栗粉で作るのでセーフ。麺類でも、米粉で作ったビーフンは大丈夫でした。普通の定食屋や「町中華」だと、だいたいは事足ります。これは盲点でした。

海鮮丼はグルテンフリー丼

 食事の際はついでに一杯……と行きたいところでしょうが、お酒もグルテンとは無縁ではありません。

 ビールは漢字で「麦酒」と書くだけあって、グルテンが含まれています(もちろんアルコールフリーのビールにも)。その他、ウイスキーも麦焼酎もウオッカもダメ。それらを使ったカクテル類も飲めません。梅酒やサワー類にも、ベースとなる蒸留酒が麦由来のケースもあります。

 一方で、日本酒、泡盛、ワインや芋焼酎は大丈夫。ぼくは体質的にアルコールを受けつけないので、まったく苦痛ではありませんでしたが、グルテンフリー生活に挫折する人の多くは、ビールが飲めないのが耐えられないんだとか。

 ビールが飲めないならコーラを飲めばいいのに……というもんでもなさそうですし、お酒が好きな人は下戸には分からない苦労があるんでしょうね。

 さて、そんなわけで、上記のような小麦粉抜きの食生活を2週間ほど続けてみましたが、「小麦粉製品が駄目なだけで、あとは何を食べてもいい」というのはなかなかストレスが少なく、思ったよりも楽でした。むしろ、「明日は何を食べるかなぁ」と、ちょっとしたゲーム感覚も味わえたくらいです。

 それまでわりとないがしろにしてしまうこともあった食生活ですが、グルテンフリーだと「ごはんと味噌汁のついたちゃんとしたご飯」を食べるようになったので、体には良かったように思います。

 同僚と居酒屋に飲みに行った際も、自分が食べたいものだけつまんでいればいいので、さほど大変ではありません。むしろ、コース料理の店などで食事会、というほうが難しいです。ぼくも一度だけ、海鮮料理系の店で会合がありましたが、コースに天ぷらが出てきたので、その際は泣く泣く衣を剥いでいただきました。

剥がれた天ぷらの衣

 この2週間、「グルテンフリー生活を試している」と人に言うと、「炭水化物ダイエット」と間違える人も多かったのですが、ぼくのは特定の食材を口にしないだけで、好きなものを好きなだけ食べていました。夜中にナッツやポップコーンなども、何度か口にしています。

 一応、体重も記録していたのですが、最初の1週間で1.5キロぐらい減り、あとは数日に一度のペースで測ったら50グラムずつ減っていました。2週間で合計1.7キロ。ダイエットとしては悪い数値じゃありません。

 揚げ物がほとんど食べられないうえに、スナック類も避けるようになるので、体重を減らす効果があったんだと思います。

 他の変化を考えてみましたが……最初に聞かされていた、体の凝りや柔軟性は、特に変化はありませんでした。もともと身体が硬いので、ちょっとはマシになってるのかも?

 また、普段からストレスを溜めない生活を送っているせいか、「気分的にハッピー」みたいなものはさほど感じませんでした。ただ、朝の目覚めは断然良くなったように思います。それまではアラームが鳴ってから布団を出るまで時間がかかったのですが、スッキリと起きられるようになりました。揚げ物や間食が減り、胃に負担がなくなったのがよかったのかもしれません。

 総括すれば、「2週間ぐらいならわりと簡単で、特に悪いことはないけど、いいことはちょっとあった」というところでしょうか。

 むしろ変化があったのは、「精進明け」以降です。グルテンフリー生活を終えた翌日は、それまでの埋め合わせに昼間はネギチャーシューラーメンを、夜はカツ丼と蕎麦のセットをガツガツと食らったのですが、異変があったのはそのまた翌日。

 起きたら頭の奥がずっしりと痛く、目の周りを中心に顔が腫れぼったくなる状態で、軽いアレルギー症状のような感じになっていました。

 あくまでもぼく個人の感想ですが、やっぱりグルテンはちょっぴり身体に悪いんじゃないでしょうか。まったく摂取しない生活を14日間も続けたのちに急に大量に摂取したので、それなりの拒否反応が体に出てしまったんだと思います。

 結局その後は、「一日グルテンを抜いて翌日は食べる」みたいに体を慣らしていき、なんとかアレルギー反応を消すのに1週間ぐらいかかりました。

 ということで、50男が試してみたグルテンフリー生活。よかったら試してみてください。あなたがもし、これまでいろいろな成績がパッとしなかったのだとしたら、小麦粉のアレルギーだったのかもしれませんぞ。

文(コラムニスト・中井仲蔵)

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