■書くことは七転八倒、苦しみましたね

 たとえば、収穫せず伸びたアスパラガスはほうきを立てたような形になります。それが群生していると、「雉が姿を隠すのにちょうどいい」ということから、「オランダキジカクシ」という名がついた……といった記述があるわけです。アスパラがオランダから日本に伝えられたのは知っていましたが、そんな表現までは知らなかった。新たな知識を得られることはうれしいことです。

 でもね、やっぱり書くことは七転八倒、苦しみましたね。この年になって2日間の徹夜など、とても辛かったですね。

 夜食を食べるかは、そのときどきですが、ジャンクな物にも手を出します。カップ焼きそばは特に好きで、コンビニで全種類を買って来て食べ比べをしたこともありますよ。個人的には『U.F.O.』が好きですね。でも、食べるとビールを飲みたくなってしまうので、徹夜仕事の夜食には向きませんね(笑)。

 今日はワイン番組の収録なので、何が出てくるか楽しみです。いい仕事でしょ? そして明日からはおいしいものがたくさんある大阪へ。心斎橋には串カツの「うえしま」という店があって、そこにはイカの串カツの上に生うにを乗せた絶品メニューがあるんです。そんな逸品を30年も前に考えたんですから、すごい店ですよね。

 でも、やっぱり一番おいしいのは、炊きたてのご飯。昔ながらのしょっぱい塩シャケを、少しだけ箸に乗せ口に運び、すぐにごはんをかっこむ。それも、人と一緒に食べるのが最高ですね。

 そうしたおいしいものを、自然に「おいしい」と感じられる状態にいられることが、人間は一番幸せなんだと思います。

 ヘア&メイク 釣谷ゆうき 撮影協力 la billage SHIBUYA

辰巳琢郎(たつみ・たくろう)
1958年8月6日生まれ。大阪市出身。京都大学在学中に『劇団そとばこまち』を主宰し、プロデューサー、演出家として学生演劇ブームの立役者に。卒業と同時にNHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』で全国区デビュー。以後、多方面で活躍中。『辰巳琢郎のくいしん坊!万才』以降、食通として知られる。ホストを務める『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』(BSジャパン)が放送中。8月9日に八重洲ブックセンターで食エッセイ刊行記念トーク&サイン会。

 思わず垂涎必至、辰巳琢郎氏の食べものエッセイ『やっぱり食いしん坊な歳時記』
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