■TOKIO山口達也の酒乱は残念

 同じ芸能界のニュースでも、ちょっと悲しかったのがTOKIOの山口達也の不祥事と事実上の引退。アル中なのか、酒乱なのか知らないけど、未成年の女の子を自分の部屋に入れた時点で完全にアウト。人間として失格でしょう。それでも、彼の行動に漂う悲哀や孤独は分からないでもない。彼は離婚して独り身だったんだよね。ぼくも妻に先立たれて7年。独り身の寂しさはそりゃあ、あるよ。彼はまだ46歳。男盛りだしね。だからって、彼が犯した罪の言い訳にはならないけど、親身になって彼を心配する友人はいなかったのかと思うな……。

 同様に「紀州のドンファン怪死事件」も、悲しい男の末路って気がするなあ。美女4000人に30億円を貢いだ金満家の急性薬物中毒死。それだけでも話題性十分なのに、彼が死んだとき、家にいたのは55歳年下で結婚したばかりの美人妻と長年連れ添ってきた家政婦の2人だけ。そして、会社の金庫に入っていた3億円が消えていた。次々に出るネタに、お茶の間は1億総探偵状態だったね。だけど、事件は迷宮入りしそうな気配……。

 でも、一番興味深いのはドンファンと年下妻との出会いだね。空港で転んだところを、この女性が助けてくれたのが縁だったんでしょ。嘘かホントか知らないけど、気持ちは分かる。ぼくも年取って転んだら起き上がるのは大変だから(笑)。そんなときに若くて美しい女性が手を差し伸べてくれたら、もうイチコロですよ。男なんて寂しい生き物だから。

 でもまあ、死ぬなら桂歌丸師匠のようにありたいね。最期まで落語に情熱を傾けた姿は羨ましくもある。あの人は生涯を通して努力家、勉強家だった。ぼくと歌丸師匠とのつきあいは長いんだ。というのも文化放送のアナウンサーになって間もない頃、『モダン寄席』という番組を担当した。そのとき、歌丸師匠はまだ二つ目だった。当時、寄席の控室にいると、師匠と弟子のやりとりが面白いんだよ。たとえば、師匠が弟子にギョク(玉)つきの蕎麦を頼む。すると、弟子は蕎麦と茹で卵を持ってくるんだな(笑)。でも、師匠は怒らない。「おまえ、皮を剥くのが大変だろ。自分のアソコの皮も、まだ剥けてないのに」

 そんな洒落の利いた会話がずいぶん勉強になった。落語の世界はぼくのしゃべりの原点であり、人生を学ぶ場でもあった。同じ時代を共に生きた歌丸師匠が逝ったのはホントに寂しいな。

みの・もんた 1944年8月22日、世田谷区出身。大学卒業後、文化放送入社。退社後89年から『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)の司会で人気を博し、05年からは8年間『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)の司会を務めた。夜の銀座通いは現在も健在。

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