■東のスター軍団にも超高校級の選手たちが!

 そんな大阪桐蔭に対抗しうるのは、“東のスター軍団”横浜。投の及川雅貴、打の万波中正を筆頭に、超高校級の選手たちが何人も顔をそろえている。まだ2年生の及川は、3年生の板川佳矢にエースの座を譲ったものの、中学時代にU-15代表に選ばれた本格左腕。今春の試合で152キロをマークし、一躍スターダムにのし上がった。

 一方の万波は、コンゴ人の父と日本人の母を持つハーフ。190センチ・89キロという恵まれた体格を生かしたパワーヒッターで、県予選の決勝では、横浜スタジアムの左翼席最上段に超特大アーチを放っている。2人ともまだまだ荒削りだが、大甲子園にふさわしいスケールのでかい野球を見せてくれそうだ。

 もちろん、他の出場校にも金の卵たちが、めじろ押し。特に今大会は、スピード自慢の豪腕投手たちが集まっていると評判だ。その一番手は、金足農の吉田輝星だ。MAX150キロの本格派右腕で、「球速よりもボールの回転が素晴らしい。球のキレが抜群」(高校野球関係者)と周囲の評価は高い。県予選の全5試合を一人で投げ抜き、決勝戦では昨夏代表の明桜を4安打、11奪三振で完封。野球専門誌『野球太郎』の持木秀仁編集長も、吉田をこう絶賛する。「高校生投手として、完成度はピカイチ。“桑田二世”とも呼ばれますが、馬力は桑田以上かもしれません」

 今回出場する56チーム中、最後に甲子園のキップを手にしたのは岡山県の創志学園。このチームを牽引する2年生エースの西純矢もまた、スピードボールが自慢の投手だ。県大会では、ストレートで押しまくる投球スタイルで、三振の山を築いた。「150キロの直球も魅力的ですが、三振を奪うごとに、マウンドで絶叫する“熱さ”がまた、いいんですよ。最近では珍しい、気持ちで投げるピッチャーですね」(前出のスポーツ紙デスク)

 速球派がひしめく中、智弁和歌山のエース・平田龍輝は、また違った武器を持つ。ストレートはMAX144キロと、他の有力投手に見劣りするが、「直球と変化球のコンビネーションで勝負するタイプ。制球力が非常に高いです」(前出の高校野球関係者)

 ここで野手の有望選手に目を向けてみると、平田のチームメイト、智弁和歌山の主砲・林晃汰もプロスカウトの注目株だ。1年時からレギュラーとして活躍。将来を期待される長距離砲として脚光を浴びたのは、やはり甲子園がきっかけだった。「昨年夏の甲子園、左中間スタンドにホームランをぶち込んだのは強烈でした。左のスラッガーですが、逆方向に強い打球が打てる打者は、なかなかいません。柔軟性と力強さを併せ持つ、貴重なバッターですね」(スポーツ紙デスク)

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