■安倍晋三首相、自民党総裁選と憲法改正の行方

――そんな日本のリーダーを決める自民党総裁選と、その後には憲法改正が控えています。

田母神 私は安倍(晋三)総理の三選を支持しますね。政治というのは、最善の選択はできない。安倍総理はベストではないが、ベターという意味です。もちろん、正直言うと安倍総理には、もう少し頑張ってほしい。たとえば靖国参拝。総理が参拝したら国際問題になると思って行かないんでしょうが、戦争で犠牲になった英霊に祈りを捧げて、どこが悪いんですか。堂々と参拝しないから、中国や韓国も「安倍は圧力かければ何でも言うこと聞くんだ」と思うわけです。総理の靖国参拝こそが、憲法改正に対する強い意思表明になります。ですから、私は改憲も実現できない可能性があると思いますよ。

宮崎 そもそも、私は改憲反対派(一同、驚きの声)。いやいや、そうではなく、今の憲法はアメリカに押しつけられたもので、国際法違反ですからね。その憲法を改正するということは違法な憲法を認めるということです。だから、私は憲法廃棄論者なんです。もちろん、そんなことはクーデターでも実行しない限り無理でしょう。ただ、こう言うと冗談に取られるでしょうが、今の日本なら戦車4台あればクーデターは成功しますよ。だって、誰も戦おうとしないから。とにかく、日本は動かない国になってしまった。

田母神 その意味で言うと、逆説的に聞こえるかもしれませんが、トランプが大統領である今こそ、日本にとって好機だと思いますよ。“アメリカ・ファースト”のトランプ大統領に“日本ファースト”でぶつかっていったら、米国の軍事力に頼る日本は必ず跳ね返されます。これを跳ね返すためには自立が必要です。そのために、自衛隊だけで国を守れる体制を作り、対米交渉を進めようという流れができればよいと思います。

宮崎 同感です。トランプ政権は、日本が生まれ変わるチャンスだと言い換えることができるでしょうね。

「戦後レジーム」からの脱却を目指し、日本人どうし熱い議論を交わすのは今しかないのかもしれない。

■日米中北・指導者4人「真夏の通信簿」

●金正恩(75点)父・金正日氏の遺訓を引き継ぎ核武装に邁進。小国ながら米国という超大国と対等の立場で交渉の席に。及第点と言える。

ドナルド・トランプ(88点)異端の大統領。国務省、CIAの圧力を“トランプ革命”によりはねのける。批判的報道も支持率は過半数を超えている。

●習近平(57点)一帯一路、チャイナドリームをモットーに拡大政策を取るが、米中貿易戦争は旗色悪く、権力基盤に地殻変動が迫っている。

安倍晋三(65点)自民党総裁の三選は確実な情勢。政権の総仕上げとして、悲願の憲法改正に執念を燃やすが、トップとしてもう少しタフさが欲しい。

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