「マンションの怪談」事故物件に引っ越した一家に起こった怪異とはの画像
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「また、いつベルが鳴り出すかと思うと、落ち着いて眠ることもできません」 憔悴しきった表情で、女性はそういった。

 三田恵さん(仮名)は、ある超高級住宅地マンションに、父親、母親とともに引っ越してきたばかり。そのマンションは、破格ともいうべき価格だったため、購入したのだった。しかし、ほどなくして三田家に異変が――。自宅に設置した電話が深夜に、けたたましく鳴るという怪現象が起こったのだ。寝ていた恵さんが電話を取っても、受話器からはなんの反応もなかった。そんなことが数回、続いた。

 彼女は最初、誰かが携帯で気づかないうちにかけているのかとも思っていた。しかし、それがあまりに頻繁で睡眠の妨げにもなってしまったため、電話機は電話線を抜き、押し入れに放置していた。しかし、それでも、その電話は鳴り止まなかった……。

「あら、あなた、あの部屋に住んでるの……。出たりしない? 大丈夫なの?」 深夜に電話が鳴るようになって数日、恵さんは、ひょんなことから、このマンションが格安だった理由を知った。立ち話をするようになった近所の人が話してくれたのだ。なんと、この部屋は事故物件だった。

 なんでも、そのマンションは、俳優としても活躍した人物が住んでいたところだったという。そして十数年前、彼はここで自殺したという、いわくつきの場所だったのだ。

 この話を聞いた彼女は、深夜の電話はその俳優のコールなのではないかと疑うようになった。調べてみると、彼の死には不審な点も多く、反社会組織とトラブルもあり、他殺説も囁かれていた。その話を裏づけるかのように、ある週刊誌で、その俳優の親友だった人物が、彼の死を他殺だったのではないかと疑問を投げかけた記事が掲載された。

「もしかしたら彼には訴えたいことがあり、それで電話を鳴らしているのかもしれない」 そう思った恵さんは、ある日の深夜、電話線も繋いでいないのに、けたたましく鳴る電話の受話器を、そっと取った。

 無音。無言。受話器の向こうからは何も聞こえなかった。そのまま10分以上、何も聞こえない受話器を握りしめ続けた彼女。そして電話線の向こうにいる“何か”に訴えかけた。

「あの、もう、この家には私たちが住んでいるので、かけてこないでください」 すると電話は切れ、以後、かかってこなくなった。しかし、恵さんは、また、いつ電話が鳴るのかと、いまだに不安な日々を過ごしている。

 その俳優が亡くなってから、十数年以上。彼が伝えようとしたのは、なんだったのか? その死は他殺だったのか? その真相は、すべて電話線の向こう側にあるようなのだ。

 あれから、鳴らなくなった三田家の電話。だが、先日、友人の女性が遊びに来て、恵さんが席を外しているときに、その女性は、どこかで鳴る電話の音を耳にしたという……。

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