■安倍首相はトカゲの尻尾切りをやり続けてきた人

――森友学園事件が勃発した際の報道においては、安倍首相に対するシンパシーを隠していませんでした。どの時点で気持ちに変化が起こったのでしょうか?

泰典 第一次安倍政権の時は本当に敬愛していました。この人しかいないと思っていたぐらいです。しかし、二度目に首相になられてから、人格が変わってしまったように感じています。庶民を切り捨てて、大企業向けの施策が増えてきました。それに加え、天皇陛下が退位なさりたいと思ってらっしゃったのに、知らぬ存ぜぬを貫き通し、陛下がマスコミを通じて意思表示をせざるをえなくなる事態も生じました。いろいろな点でアレッと思うことが増えてきたのです。

――それでも籠池夫妻は安倍首相を応援し続けてきたのではないのでしょうか?

泰典 やはり最大のキッカケは今回の事件ですよ。去年の2月17日、安倍首相は「私や家内が関わっていれば、首相も議員も辞める」と言い切りました。あれだけ信頼して応援していたのに、いざとなったらハシゴを外した。この瞬間、確信に変わったんです。「安倍さんはトカゲの尻尾切りをやり続けてきた人なんだな」と。財務省の佐川(宣寿・元理財局長)さん、経産省の柳瀬(唯夫・前審議官)さんなんかもアッサリ切られてしまった。安倍政権にはこういう体質がある。他人事ではないんですよ。いずれ一般市民に対しても、同様のことをする可能性があるということです。

――森友学園騒動の最中に、昭恵夫人と諄子さんの関係がワイドショーを騒がせました。昭恵さんとは、どんな方なのでしょうか?

諄子 昭恵さんとは、メールのやりとりだけでなく、電話でも長い時間、お話しました。普段は気さくで話しやすい人ですよ。こちらの話も聞いてくれるし、アドバイスもしてくれる。でも公の場に出ると、パッと首相の妻の顔に変化するんです。普段の顔と、どちらが本当なのかなと思うときはありました。今回の件では、首相夫人の顔を優先するしかなかったのでしょう。とにかくお酒が好きな方で、ほとんど毎日、飲んでいらっしゃった印象です。一度、昭恵さんから間違って電話が掛かってきたことがありました。私は「もしもーし、昭恵さーん」と言い続けたんですが、応答はなく、お店ではしゃぐ昭恵夫人の声だけが聞こえてきました。

――財務省による国有地8億円値引き問題、籠池夫妻の勾留中に発覚した財務省による公文書改ざん事件は結局、ともに刑事事件化しませんでした。

泰典 なぜなんでしょうね。8億円値引き問題が森友学園事件の本筋であることは明らかなのに、特捜部は手出しできなかった。公文書改ざんが立件できないわけがない。私は今回の件を「国策捜査だ」と言い続けてきました。検察は政権を忖度して立件するか、しないかを決めている。事件を矮小化し、私たちだけに責任を押しつけるつもりなんです。

諄子 今後、こうした理不尽な出来事について、国と争う裁判が待っています。でも、私たちはものすごく前向きですから、大丈夫です。今回の事件ですべてを失いましたが、逆に新しい役割を与えられたと思っています。いずれは日本中をお父さんと回って自分たちの経験を話しながら、いろんな人とお会いしたい。悩んでいる人や困っている人のお役に少しでも立てれば、と思っているんです。

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