清原果耶
清原果耶

 8月10日、清原果耶(16)主演の『透明なゆりかご』(NHK)第4話が放送された。同ドラマは、看護助手の青田アオイ(清原)が勤める由比産婦人科で繰り広げられるヒューマンドラマだ。原作は同タイトルの漫画で、作者は看護師見習いとして産婦人科医院に勤務した実体験をもとに作品を描いている。ドラマは、原作同様、またはそれ以上に、視聴者の心に訴えかける物語として仕上がっており、話題を呼んでいる。


 第4話は、元気な笑顔が印象的な町田陽介(葉山奨之/22)の妻で、真知子(マイコ/33)の分娩シーンから始まった。無事に女の子を出産したが、真知子の容態は急変。大学病院に緊急搬送されるも、残念ながら命を落としてしまう。

 陽介は笑顔をなくして攻撃的になり、由比産婦人科の院長、由比朋寛(瀬戸康史/30)を刑事告訴するとどなり込む。看護師たちの間にもピリピリとした空気が漂っていたが、数日後、陽介が告訴を取り下げると連絡がきた。裁判に持ち込んでも勝てないと判断した弁護士の采配だったが、アオイは陽介の心情を考え、不安を募らせる。

 陽介の自殺を心配したアオイだったが、偶然会った陽介は、子育てが忙しくて死ぬ暇がないと漏らした。家に帰り、赤ん坊と2人になると、陽介は気持ちが沈み、自殺しようとする。だが、娘の泣き声に思いとどまり、妻が陽介宛てに、家中に残していたメモ書きに気づく。なにげない生活のメモから、無理をしないでという心遣いまで。それらを見ながら、もうこんな生活は無理だと泣き出す陽介。一人弱音を吐くが、そのとき子どもと目が合い、この子には自分しかいないと気づき、また生きる決意を固める。

 今回は、出産直後に母親が死亡するという、あってはならない事態がテーマだった。子どもは、無事産まれ、母親と退院し、笑顔で子育てに入れるものだと思いがちだが、今回の話では、それがいともたやすく覆される。

 陽介も妻が死ぬとは思っておらず、緊急搬送される際も、ただただうろたえていた。それまで笑顔で接していた医師に対し、つかみかかって妻の死の責任について問い詰めていた。陽介が怒りと悔しさで目を充血させてどなり散らすシーンは、見ている側も、思わず息を飲んでしまうほどの鬼気迫るシーンだった。

 身近に頼れる親族もいない若い男性が、妻に先立たれ、子どもと2人生きていくのはどれだけの覚悟が必要なのだろう。陽介が思いつめ、死を選ぼうとしたときに、命を救ったのは、ふだんから忘れっぽい夫のために、妻が残していたメモだった。「子どもが泣いていても寝てていいんだよ」「無理はしないで」「でも生きてね」「死んじゃダメだよ」。なぜ妻はそんなメモを残したのだろうか。推測だが、妻は、非常に心配性だったのではないだろうか。もしかしたらすぐに退院できないかもしれない。死までは考えなくても、もしもを考えて残したメモだったのではないだろうか。そう考えると、そのメモにどれだけの愛がつまっていたのだろう。
 
 子どもを授かるということ、母子ともに健康で家に帰ること。今回の話は、それがどれだけの奇跡と幸運なのかを考えさせられ、人に優しく生きようと思える内容だった。

 

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