■カリスマモデルと結婚まで考えていたが

 当然ながら、告白本の中にそれについて、まったく触れられてはいないが、そもそも離婚した前妻を含め、女性に関する記述がほとんどない。実は清原には、大きな影響を与えたといわれる女性がいる。六本木の高級クラブのママだったAさんだ。「Aさんは、もともとファッション誌で活躍したカリスマモデル。西武ライオンズ在籍時の清原とつきあっていて、結婚まで考える仲だったそうです」(芸能事関係者)

 その後、清原と破局したAさんはクラブに転身。ただ、別れた後も2人の交流は続いた。「清原にとって、彼女は何でも話せる貴重な人物。巨人移籍後、何かと精神的に追い詰められた清原の心の支えにもなっていたといいます。そんな彼女の存在が“夫婦ゲンカ”の一因になったのでは……とも囁かれました」(六本木のクラブ関係者)

 だが12年、Aさんは東京・羽田空港の駐車場に停めてあった車の中で、遺体となって発見される。練炭を使った自殺だった。「芸能界、スポーツ界にも顔が広かったAさんは、闇社会とのつながりも指摘されていて、正直、酷い噂も流されました。この自殺にも“他殺説”があったほどです。もちろん、清原とAさんの死はまったく関係がありません。相当なショックを受けたはず」(前同) 大切な元恋人の死が、清原の孤独感に拍車をかけてしまった面も否めない。

 そんな語られなかった事実がある一方、今回の『告白』で、清原が何度も口にした名前がある。「桑田真澄」だ。彼の名前が挙がるごとに、ときには称賛、ときには拒絶と、様々な思いが形を変えて現れていた。「好きも嫌いも結局、はっきりしない。それだけ、桑田に複雑すぎる思いを抱えているということなんでしょうね」(球団関係者)

 その原因は、もちろん85年のドラフト会議だろう。愛する巨人が、自分ではなく桑田を1位指名した――。本の中で清原は、「桑田と巨人の間に密約」が存在していたと、驚きの告白をしている。「これは清原の思い込みでしょう。確かに当初、巨人は1位清原で固まっていた。しかし秋の国体で投げた桑田の球を見て、スカウトの評価が逆転。競合必至の清原を避け、単独1位が狙える桑田の強行指名に転じたんです」(当時を知るベテラン記者) 密約という“誤解”は、清原の複雑な感情が生んだものなのかもしれない。

 さて、自叙伝を記した現在の清原は、いったい、どんな様子なのだろうか。「2週間に一度、クスリ治療で通院しているものの、ろれつが回っていないときもあり、周囲は心配しているようです。何より、仕事がないので金銭的にはかなり厳しいはず。やはり親友の佐々木主浩氏のような支援者なくしては、復帰は難しいでしょうね」(スポーツ紙記者)

 裁判には情状証人として出廷した佐々木氏。4月に出演したラジオ番組では、清原の近況としてリハビリを頑張っていると明かし、「みんなで助け合って、彼を野球に戻したい」と支援を約束していた。かつてのスーパースターが闇を乗り越え、復帰する日を心待ちにしたい。

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