■中村雅俊の仙吉は『半分、青い。』の良心!

「夢は見ているだけで贅沢や。<中略>その時間がいい。夢見てる時間だけで元取れるな」(第28話)

 鈴愛が漫画家を目指すと言い出し、楡野家の男性メンバーが喫茶「ともしび」に集い話し合ったときのセリフ。若者の背中を後押しする、優しい祖父の言葉として話題になった。

「15分光がさすだけで、人はそれを楽しみに生きていけるんやって思ったんや<中略>要はな鈴愛、どうにでもなるぞ、大丈夫やってことや、人間はな、強いぞ」(第80話)

 漫画家をやめる決意をした鈴愛に、仙吉が電話口で語った言葉。自分が戦争のときに隠れていた場所から1日のうち15分だけ見えた光に、生きる希望を持ったというエピソードだ。鈴愛を元気づける言葉も感動的だが、「1日15分」が朝ドラそのもののメタファーにも思える。朝ドラ史に刻みたい名言だ。

 仙吉のセリフは実に穏やかな口調で、あわただしく展開が早い『半分、青い。』において、良心ともいえる存在だった。これら名言を思い出しながら、「仙吉ロス」を乗り越えたい。(半澤則吉)

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※画像はNHK『半分、青い。』番組公式サイトより

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