『NANA』がまさかの2位!?「人に薦めたくなる少女漫画」ランキングの画像
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 大人になった今でも、読み始めると止まらなくなる名作少女漫画は多い。ハートがキュンキュンする恋愛モノから、胸が熱くなる友情モノまで、好みのジャンルは人それぞれだ。そこで今回は、10代~30代の独身女性100人が「人に薦めたくなる少女漫画」ランキングを紹介しよう。

 第4位に選ばれたのは、神尾葉子氏のラブコメディ作品『花より男子』(集英社)だ。連載開始は1992年だが、その人気に火がつくとテレビドラマ化や映画化など、マルチに展開。18年には、続編作品の『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)もドラマ化された。上流階級家庭の子どもが通う英徳学園に、一般庶民の牧野つくしが入学。学園を牛耳る御曹司グループ“F4”のメンバーと出会ったことで、つくしの人生が一変するという物語だ。

 この作品を薦める人からは「やっぱり定番、みんながかっこいい」(33歳/女性)、「貧乏人とお金持ちの出会いが良い」(36歳/女性)、「キャラクターが最高」(33歳女性)といった意見も。貧乏なヒロインがお金持ちの御曹司に見初められるシンデレラ的なストーリーや、個性豊かなF4のキャラクター性などが好評のようだ。

 第3位には、矢沢あい氏の『天使なんかじゃない』(集英社)がランクイン。連載開始は91年で、創設まもない私立高校の生徒会が舞台の、学園ラブコメディ作品だ。いつも明るい人気者のヒロイン冴島翠が、ワイドルなリーゼントがトレードマークの須藤晃と同じ生徒会役員になり、生徒会活動を通じて距離を縮めていく物語。恋愛要素だけでなく、友情の大切さなどもしっかり描かれ、多くの読者から支持を集めた。

 選んだ人のお薦めポイントとしては「りぼんで連載されていたのに、描写が大人っぽくてリアル」(32歳/女性)、「主人公がかわいい」(36歳/女性)、「泣けるところ」(29歳/女性)などの意見があった。比較的読者の年齢層が低い『りぼん』(集英社)での連載だったが、リアルな恋愛描写が多かった点が、逆に新鮮だったのかもしれない。

 第2位にランクインしたのは、『天使なんかじゃない』と同じく、矢沢あい氏の作品『NANA』(集英社)。連載開始は2000年で、言わずとしれた少女漫画界の金字塔だ。同じ名前を持つ、ミュージシャンの大崎ナナと、彼氏と暮らすために上京してきた小松奈々が偶然新幹線の中で出会い、その後に同居するという展開から始まる。単に恋愛を描くだけでなく、音楽活動の中で生まれる苦悩や、衝撃的な悲劇など、まったく展開の読めないストーリーが人気を博した。また、漫画から派生した実写映画、テレビアニメも大ヒットを収め、そちらで作品を知ったというファンも多い。

 この作品をお薦めする人からは「現実的かつ独特な世界観と、それぞれのキャラへの作者の愛情をとても感じる」(25歳/女性)、「普通の女の子が刺激を受けて変わっていく楽しさ」(31歳/女性)、「友情の本当の意味を知った」(37歳/女性)といった意見があった。平凡な女の子が、人気バンドのメンバーと恋愛するという展開もあり、そのあたりも読者から好評だったようだ。

 そして第1位に輝いたのは、椎名軽穂氏の『君に届け』(集英社)だ。連載開始は05年で、17年に、ついに完結した。高校生の黒沼爽子は、その陰気な雰囲気と長髪のせいで、周囲から“貞子”と恐れられていたが、人気者の風早翔太と出会ったことで大きく成長を遂げていくという物語。最初は、他人とうまくコミュニケーションを取れなかった爽子が、努力を重ね、次第にクラスメイトと打ち解け、やがて風早への恋心を自覚していく様子が描かれている。10年には、多部未華子三浦春馬のW主演で実写映画化もされ、こちらもヒットした。

 お薦めの理由は「地味な女の子と人気者の爽やか少年の恋の展開が良い」(26歳/女性)、「純愛ストーリーで現実でもありそうなシーンが多く、共感できる。また、ヒロインの彼氏がかっこよく、癒される」(22歳/女性)、「主人公爽子のひたむきさに、読んでる私も頑張ろうと思えた」(26歳/女性)など、地味ながらも純粋で努力家のヒロインに、自己投影する読者も多かった。

 その他、ランク外だが、池田理代子氏の『ベルサイユのばら』(集英社)を選んだ人も多かった。連載開始は1972年とかなり古い作品ながら、20代からも支持を集め、今でも作品の知名度は抜群のようだ。名作と呼ばれる少女漫画は、母親の世代などから口コミで伝わり、世代を超えて読まれているのかもしれない。

アンケートサイト「ボイスノート」調べ
http://www.voicenote.jp/

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