■『半分、青い。』は正統派の朝ドラ!?
まず第28話。晴(松雪泰子/45)が鈴愛の上京を許したものの、娘と離れて暮らすことに気持ちの整理がつかないという場面は、前半のハイライトだった。「母ちゃんの中には三つのあんたも、五つのあんたも、十三歳のあんたも全部いる」と泣きじゃくり、お茶の間の涙を誘った。
律と和子、そしてこの鈴愛と晴と、家族のシーンに感動してしまうのは、視聴者が主人公を子ども時代から見守るという、朝ドラ独特の構造のおかげといえる。『半分、青い。』は子ども時代がていねいに描かれたが、それこそ昔から続く正統派朝ドラのありかたなのだ。展開が早い現代劇で、トレンディドラマで有名な脚本家の作品ということから賛否両論が飛び交っているが、『半分、青い。』は、心温まるホームドラマという朝ドラの役割を十分に果たしているのではないだろうか。批判的な意見の人にこそ、この作品が実に朝ドラらしい朝ドラなのだと、訴えておきたい。
残りの放送期間は1か月ほどとなったが、鈴愛と律の関係だけでなく、朝ドラの醍醐味である「家族のシーン」も要注目だ。神回の連発を期待したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)
半澤則吉の朝ドラブログ
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※画像はNHK『半分、青い。』番組公式ホームページより