山田孝之
山田孝之

 金曜ナイトドラマ『dele』(テレビ朝日系)が、9月14日に最終回を迎える。山田孝之(34)と菅田将暉(25)のダブル主演ということで注目されたが、ドラマ開始からネット上の評判はすこぶる良好だ。「シリーズ化希望!」とツイッターにも最終回を惜しむ声が多数、寄せられていた。ここでは先週、9月7日の放送を振り返り、このドラマが高評価だった理由をあらためて考えてみたい。

 坂上圭司(山田孝之)の運営する「dele.LIFE」の依頼人、笹本隆が死亡した。圭司の姉で弁護士の舞(麻生久美子/40)は、依頼人の隆が死刑囚、笹本清一(塚本晋也/58)の息子だと気づき、データの消去をやめるよう求める。隆が削除依頼していたデータは、父の清一が犯人として逮捕され死刑宣告された、8年前の毒物混入事件の重要な証拠と思われる映像だった。真相を調べ始めた真柴祐太郎(菅田将暉)は、8年前の事件現場近くで洋食店の店主、上野兼人(Mummy-D/48)から、市議会議員の宮川新次郎(千葉哲也/54)が事件に関与していたことをほのめかされる。しかし圭司と祐太郎が調査を進めるにつれ、街の人々が抱える闇が次々と明らかになって……という展開だった。

 第7話にして、超問題作だった。事件の真相が分からないまま、放送が終わってしまったのだ。8年前の事件に関わった多くの人間がそれぞれ闇を抱えており、誰が真犯人でもおかしくないというまさかのラスト。さらに冤罪事件や地方の閉塞感などを風刺した、きわめて社会性の高いストーリーだった。これには「またしても神回」、「衝撃的すぎ」、「気持ち悪ー!!!(褒め言葉)」とネット上でも絶賛の声が相次いでいた。

『dele』のような1話完結のドラマは、今のトレンドだ。今年に入ってからも木村拓哉(45)主演で話題になった『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)や、石原さとみ(31)主演で数々のドラマ賞を受賞した『アンナチュラル』など、1話完結のミステリードラマは高視聴率を連発している。1話完結の場合、ドラマがスタートした後からでも追いやすいし見逃してもついていけるのだが、それも人気がある理由のひとつだろう。『dele』も、その点で“見やすい”ドラマだったことが、評価につながったといえる。

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