ひと工夫でカップ麺が極上の美味さに変身――ご存知、ちょい足しレシピは完全に市民権を得た感じがするが、逆に言うと、すでに頭打ち状態。そんな膠着を打破するべくお笑い芸人コンビ「いかすぜジョナサン」の2人が立ちあがった!
「僕も相方も、ちょい足しが好きであれこれ試したんですが、どれも想像の域を出ないというか……。確かにおいしくなるんですが、何か物足りなかったんですね」(川村優太)
究極のちょい足しを目指し悶々とする2人は、ついに禁断の扉を開く。
「発見したのはまったくの偶然というか、幸運でしたね。バイトから家に帰ってテレビをつけたら、日テレの金曜ロードショーで『ルパン三世 カリオストロの城』がやっていたんで、何気なく見ていたんです。その日は、何も食べていなかったので、買い置きしてあったカップ麺にお湯を注ぎ、食べていたんです。まあ、すきっ腹のカップ麺はバクウマですよね。とはいえ、この時点ではまだ、普通のうまさでした」(小俣勇二)
物語が進み後半に銭形警部がカップラーメンをすするシーンが、画面に現れたという。
「すると、不思議なことが起こりました。銭形警部と僕のすするラーメンがシンクロした結果、死ぬほどうまく感じられたんですよ!」(小俣)
気のせいだと思い、相方の川村にこのことを話してみたという。すると……。
「僕はDVDを借りてきてカップ麺を用意して例のシーンを見ながら食べてみたんです。確かにバクウマでした。美味いなんてもんじゃないですね。さらに、前半に出てくるルパンが赤いきつねとおぼしきカップうどんを食べるシーンでも試してみましたが、これまたバクウマだったんです」(川村)
小俣の仮説は完全に検証されたといえる。
「これを僕らは“視覚のちょい足し”と呼んでいますが、今度は、『ミスター味っ子』や『クッキングパパ』、藤子不二雄作品に登場する“小池さん”なんかの静止画でも試してみるつもりです」(小俣)
さらに、カップ麺を離れてこんな試みも。
「『グラップラー刃牙』の父親・範馬勇次郎が肉をバカ食いしているシーンを読みながら、ファミチキをめちゃ食いしたら、かなりうまかったですね。『カイジ』もいけるんですよ。地下の強制労働施設に閉じ込められたカイジが、重労働を終えて焼き鳥とビールを食うシーンはヤバいですね。居酒屋でこのシーンを読みながら試してみたら、死ぬほどおいしかったです」(川村)
文字通り味を占めた2人は、以来、ちょい足しに使えるものはないかと探し求める日々を送るように。そして、さらなる未知のジャンルの開拓に成功したという。
「今度は“聴覚のちょい足し”ですね。用意するものはプレステ2の『メタルギアソリッド3』とスマホです。適当にプレイして、ステージに落ちている即席ラーメンの回復アイテムを取ります。これがたまったら、次々にスネークに食べさせるんですが、食べるとスネークが『うますぎる!』『もっと喰わせろ!』『最高だっ!』と叫ぶんですよ。画面に食べている姿は出ないので、完全に聴覚のみです。それをスマホで録音しておいて、カップ麺を食べながら、何度もリピート再生しながら食べるんです」(川村)
「やってみたら、これもクソうまくて……。病みつきになりましたね。もちろん、ラーメン以外にも応用できます」
最後に、現在開発中の究極のちょい足しを教えてもらった。
「あまり言いたくないんですけど、“霊感ちょい足し”なんですよ」(小俣)
「こないだ言われて“やっぱこいつヤバイやつだな”と思ったんですが、こいつ、“千利休の墓前でお茶飲みたい”とかいうんですよ(笑)」(川村)
「考えただけでおいしそうですよね。今検討しているのは、ラーメンを日本で初めて食べた徳川光圀の墓前でカップラーメンを食べるとか、何か食の世界で偉業を成し遂げた偉人の子孫を尋ねていって、その人が見ている前で食べるとかですね」(小俣)
「成功したら、また報告します!」(川村)
皆さんも、禁断のちょい足しを発見してみては……。