武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)
武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)

 幕下・武蔵国(23)を筆頭に、18名の力士の他、行司、床山を擁する武蔵川部屋。秋場所、幕下42枚目のハワイ出身の武蔵国は、武蔵川親方の甥にあたり、本名はなんと「フェアマル・ムサシマル」という。かつては、高見山、小錦、曙など、人気力士を輩出したハワイ勢だが、今は武蔵国一人。「外国人力士は、1部屋1名」という相撲協会の規定もあるためだが、ハワイ期待の星・武蔵国に、武蔵川親方は手厳しい。

「武蔵国は初土俵からもう6年、23歳だよ! 幕下の下のほうでウロウロしている場合じゃないんだけどな。稽古内容も“ただやってるだけ”で、全然ダメだよ! 体つきが俺にそっくりだって? まあ、体は立派かもしれないけど(190センチ、166キロ)、体だけ。俺が23歳のときは大関になっていて、全勝優勝もした。“何やってるんだ!”って言いたいね」

■朝青龍など外国人力士の不祥事に警鐘

 低迷している甥っ子に、少々手を焼いている様子だ。「俺らの時代からしたら、ハワイの力士が少なくなったけど、それでもいいって思っている。なぜかって? この20年を見てみい。トラブルを起こしているのって、外国人ばかりだよ。朝青龍、大砂嵐、露鵬とか、名前挙げたらキリがないよ。外国人力士たちは、日本に来て、日本の相撲界に入っているんだから、日本のルールを守らなきゃダメだ。関取になったからって、何でも許されるわけじゃないんだしね。そのあたりは各部屋の師匠も厳しく接しないといけないだろうね」

 昨今の外国人力士の不祥事に警鐘を鳴らす武蔵川親方。一方で新弟子のスカウト活動も積極的に行っている。「日本全国、どこにでも顔を出しているよ。相撲をやる小学生は多いけど、中学生になると受け皿がないのが、問題だな。ウチの部屋はまだ若い力士しかいないけど、雰囲気は明るいんじゃない? 食事の面も工夫している。飽きないよう、月2回くらいはピザ屋から出前を取って、“ピザデー”をしたり(笑)」

■稀勢の里、高安の付け人も

 稀勢の里高安が所属する田子ノ浦部屋は近所とあって、武蔵川部屋の若い力士は、一門の枠を超えて、稀勢の里、高安の付け人を務めている。「田子ノ浦部屋は人手が足りないからね。横綱、大関の付け人をやることは若い衆のいい勉強になる。なんでも勉強だよ! そして、1日でも早く武蔵川部屋から関取を誕生させたいね」

 武蔵川親方の奮闘は続く。

武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)1971年5月2日生まれ。アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島出身。第67代横綱。89年秋場所で初土俵。91年に新入幕し、92年に小結、94年に大関に昇進。99年、横綱に昇進。2003年に引退し、一代年寄・武蔵丸として後進の指導に当たった後、13年に年寄・武蔵川を襲名。武蔵川部屋を再興する。

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