菅田将暉
菅田将暉

 金曜ナイトドラマ『dele』(テレビ朝日系)が、ついに9月14日に最終回を迎えた。山田孝之(34)と菅田将暉(25)という人気俳優の共演で注目された本作は、ドラマとしての完成度、映像の美しさ、ミステリーとしての奥深さも話題になり、ネットには最終回を惜しむ声が続々と上がった。「いいドラマだった。終わってしまうのが本当に残念」、「個人的今期ナンバーワンドラマ」といった書き込みが相次いだのだ。ここでは最終回の放送を振り返り、このドラマの魅力とはなんだったのかを、あらためて考えてみたい。

 坂上圭司(山田孝之)のデジタル遺品整理会社「dele.LIFE」に、クライアントである辰巳仁志(大塚明夫/58)のパソコン動作停止を知らせる信号が届く。辰巳は弁護士で、大物政治家である仲村(麿赤兒/75)の前で息を引き取った。真柴祐太郎(菅田将暉)は、この報告を受け、怒りの表情を見せたが、その理由には佑太郎の妹、鈴(田畑志真/13)の死があった。病院での治験後に鈴は死んだのだが、そのとき入院先の弁護士を務めていたのが辰巳だったのだ。そして祐太郎は辰巳が残したデータを見て、鈴の死が治験で使われた新薬が原因だったことを知り……という展開だった。

 アクションあり、シリアスな心理描写あり、実に見どころが多い最終回だった。特に菅田将暉が演じる祐太郎の豹変ぶりに驚いた。これまでは今風の若者という雰囲気で飄々とした言動を見せていた祐太郎だが、最終回では妹の死を追って巨悪と対峙する感情的な青年に変貌。ラストシーン、祐太郎が「dele.LIFE」にふらっと戻って来て、また「今どきの若者」の表情を見せるのだが、これがまたかっこ良すぎ! カメレオン俳優・菅田将暉、ここにありといった感じで、共演の山田孝之や麻生久美子(40)といった実力派たちを凌駕する存在感を放っていた。

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