■菅田将暉の過去が全話をまとめ上げた!

 1話完結のミステリーという構造上、これまではゲスト出演者がドラマの主役となることが多かったが、最後の最後で菅田将暉を前面に持ってくるとはさすがだ。その演出が絶賛されてきた『dele』らしいまとめ方だった。これまで依頼人の死と向き合い、その死に関わった人たちと優しく向き合ってきた祐太郎が、過去に自分の家族の悲しい死と相対していた、という仕掛けも見事。各話それぞれのつながりはまったくなかったが、最終回を見てついつい過去の登場人物たちの姿を思い出し、切ない気持ちになってしまった。

 この物語全体に通奏低音として響いていた「切なさ」と「哀しさ」。これは祐太郎の心情、そして菅田将暉の芝居と、実はリンクするものだったのではないだろうか。そして、その哀愁こそがこのドラマの魅力であり、そこが評価されたように思われる。

 毎回、事件が起こる「ミステリー作品」という側面が強いため、ついつい忘れてしまっていたが、『dele』は実は上質な人間群像劇だった。感情の浮き沈みを見せた祐太郎、そして祐太郎そのものになったかのような菅田将暉の素晴らしい芝居を目にして、あらためてそんなことを痛感させられた。

 特番、セカンドシーズン、それとも劇場版? 今後のあらゆる可能性に期待しながらも、しばしこのドラマが訴えかけてきた切なさや、哀しさを噛み締めたい。(ドラマライター・半澤則吉)

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