関西地方を直撃した台風21号は、関西空港をはじめ各地に大きな被害をもたらしました。被災された皆さまには、心からのお見舞いを申し上げます。

――競馬関連の施設は大丈夫かな? ゴーッという強烈な風の音を聞きながら、自宅でハラハラしながら見守っていましたが、こちらは、栗東トレセンでハロン棒が1本損壊、阪神競馬場でもパドックの一部の屋根が剥がれ、スタンドの窓ガラスが割れるなどしただけで、大きな被害には至りませんでした。

 JRA4000勝の記録まで、マジック5。遠ざかっていくタイプの数字ではないので、焦らず、ひとつひとつ、積み重ねていけばいい――そうは思っていても、やはり、達成したその瞬間を、変わらず応援し続けてくれた関係者、ファンの方と一緒に喜びたいという気持ちもあって。

――競馬への影響は最小限で済みそうだな。と、やや安堵した、その翌日です。今度は、震度7という大地震が北海道を襲いました。震源となった胆振東部地方は、大・小の牧場が集まっている地域です。

――馬は大丈夫なのか? 真っ先に浮かんだのは、それです。

――牧場関係者は? 嫌な予感が、次々に頭の中に浮かんできました。『台風21号の影響で札幌競馬場に留まっていた105頭は、競馬場に足止めされたままだけど、全馬の無事を確認した』『発生当初は驚いていた馬たちも、今は落ち着いている』『電気、水道は止まったままだけど、馬が飲む水は確保してあるから数日なら大丈夫』『厩舎の水は止まっているけど、水源の違う水道水は出るから、それで対応している』『電気は発電機を借りたかしのら、なんとか凌げる』『給水車が来て対応してもらっている』……次々に入ってくる情報を耳にするたびに小さな息を吐き出し、ダービー馬ワグネリアンを産んだミスアンコールの訃報には、束の間、言葉を失ってしまいました。

 すべてが元通りになるには、まだまだ時間がかかります。その間、馬に寄り添う関係者の方の苦労は並大抵ではありません。僕は僕にできることを精いっぱいやることで、少しでも復興のお役に立てればと思っています。

■阪神競馬G3シリウスSはG1に向けた戦い

 騎乗するすべてのレースで、最高の騎乗をすることも、その一つ。ミキノトランペットをパートナーに挑む、29日のG3「シリウスS」(阪神ダート2000メートル)も、勝負にこだわった競馬を心がけます。デビューから着実に力をつけ、ここにきて馬がしっかりとしてきたミキノトランペットにとっては、今回が初めての重賞挑戦。完成形まであと一息というところで、今度は、どんな競馬を見せてくれるのか? タイム的には十分、通用するし、将来、G1というビッグタイトルを取れるかどうか、ここが大きな試金石です。

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