90年代に活躍した人気バンド、T-BOLANはメンバー4人のうち、2人が大病に襲われた。ボーカルの森友嵐士は、人気絶頂だった1994年に、ほとんど歌えない状態に陥った。1999年12月に心因性発声障害という病名がついたが、原因も治療法も不明という診断を受け、自らメンバーにT-BOLANの解散を申し出た。それから10年がたった2009年に、森友は音楽活動を再開。

 2012年10月には、約13年ぶりにオリジナルメンバーが再集結し、ライブツアーを行って復活。そのまま完全復活かと思いきや、2014年4月に再び活動を休止してしまった。

 そんな中、2015年3月にベースの上野博文が、くも膜下出血で倒れた。意識不明の危険な状態に陥り、手術を受けて一命は取り留めたが、高次機能障害を発症した。奇跡的な回復を遂げて退院に漕ぎ着けた後で、メンバーたちによる「上野のリハビリの力、目標になれば」という想いから、16年12月31日に一夜限りの再結成ライブを開催した。

 そしてT-BOLANは2017年6月から活動を本格的に再開し、同年8月16日には約21年ぶりとなる新曲を収録したベストアルバム『T-BOLAN 〜夏の終わりに BEST〜 LOVE SONGS+1 & LIFE SONGS』をリリースし、完全復活を果たした。

 難病に侵されて、つらい時期を送っていたことがある芸能人たち。苦悩と病魔を乗り越えて、帰ってきた彼らの姿を見ていると、頑張って生きようと思える大きな勇気が湧いてくるかもしれない。

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