下を向いて歩こう! 都内にある「変わり種」マンホールの画像
こちらは大阪市のマンホール

 町中に住んでいれば、必ず目にするマンホールの蓋。

「古代ローマから現代に至るまで、都市計画に必要なのは上水道と下水道。さらに近代からは、そこに電気、ガス、電話や信号機のネットワークも加わることになりました。多くの場合、それらは地下に埋設されていますが、メンテナンスが必要なときには地下に潜る必要があります。そのための穴がマンホールで、日常でその穴に落ちないよう、普段は蓋がしてあります」

 と解説するのは、コラムニストの中井仲蔵氏だ。続けて、「このうち、上下水は各市町村の管轄なのですが、1980年代にそれまでの規制が代わり、各自治体はそれぞれ意匠を凝らしたデザインのマンホールを使用しています」(中井氏=以下同)

 そこでここでは、中井仲蔵氏の協力のもと、都内にある「変わり種」マンホールを5種類、ご紹介しよう。

■逓信省のマンホール蓋

「おなじみの郵便番号のマークだと思われた方も多いでしょうが、これは実は逓信省(ていしんしょう)のマンホール。同省はかつて郵便や通信を司っており、後に分化したり民営化したりして、今では日本郵政(JP)や日本電信電話(NTT)になっちゃいました」

「〒」マークを「手紙のテ」だと思っている人も多いが、実は「逓信省(ていしんしょう)のテ」だったのだ。

「ということで、この下に通っているのは、NTTの電話ケーブルのようです。逓信省自体は1949(昭和24)年までしか存続しなかったので、おそらく戦前に電話を引いていた、ごく限られた省庁や企業向けのものでしょう。このマンホール蓋は芝公園の歩道橋の下で見られます」

■建設省国土地理院のマンホール蓋

 なくなってしまった省庁ということでいえば、建設省もいまや国土交通省になってしまったが、国土地理院は今も測量を行っている。

「こちらのマンホールを基準点として、日本全国の測量が実施されています。地震などで地殻変動が起こった際は、この基準点をもとに何センチズレたとか言ってるわけです」

 このマンホールは、中央区の国立がんセンターから築地場外市場に抜ける道にあるとか。

■八王子市のマンホール蓋

 マンホールの蓋は、民間の団体から寄贈されるケースも。

「こちらは八王子市で国体が催されたのを記念して、日之出水道機器という企業が寄贈したものですが、他にも横浜にはベイスターズやマリノスの蓋があったり、また広島ではカープ坊やの蓋があるなど、いろいろなところで寄贈蓋は見られます」

■サンシャイン60のマンホール蓋

 池袋のランドマークとして知られるサンシャイン60。その敷地に設置されたマンホール蓋は、実は同ビルを管理・運営するサンシャインシティの特製である。

「ISCは、池袋サンシャインシティの略のようですね。サンシャインは60階建ての高層ビルとして知られてますが、たまには足元を眺めてみてもいいかも」

■モンチッチのマンホール蓋

 かつて、大ブームを起こした人形の「モンチッチ」。自分の指をおしゃぶりするギミックで、日本中がその可愛さに身悶えしたものだが、その絵をあしらったマンホール蓋が、東京の東の端、JR新小岩駅前にある。

「調べてみると、モンチッチを製作していた株式会社セキグチの最寄り駅が新小岩駅だった縁で、2017年の夏に設置されたものみたいです」

 なお、葛飾区のHPによると、モンチッチマンホールが設置されているのはJR新小岩駅の北口と南口の各5か所ずつで、そこではフリーWi-Fiも飛んでるとか。

 基本的に、上下水があるところには必ずマンホールと蓋がある。たまには下を向いて歩いて、ささやかな発見を楽しんでみてはいかがだろう。

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