■安倍昭恵夫人にはいっぱい言いたいことがあるが

 森友学園をめぐる騒動では、諄子氏と昭恵氏の関係性に大きな注目が集まった。昭恵夫人との出会いについても、言及している。〈保護者の方が塚本幼稚園が発行する「お母さん新聞」と一緒に「自分の息子が塚本幼稚園で学んだことを誇りに思っている」と書いて昭恵さんに手紙を出されたところ、繋がりが生まれたようです(聞いた話ですので詳細はわかりません)。(中略)昭恵さんは、私のことは好きです。それだけは、私は自信があります。〉(17年11月1日「昭恵さんとの出会い」より)

 拘置所から出た今、総理夫人に対して何を思うのか。

諄「(しばらく沈黙した後)いっぱい言いたいことがある。でも、なかなか言葉にできません」

泰「僕は“100万円(小学校創設への寄付)は記憶にない”って言われたことに関しては、悔しい思いはまだありますよ。あの……」

諄「(泰典氏をさえぎり)お父さん、もうエエやん。そんなこと。終わったことや。もう、あの人には関わらんとこ。考えたくないねん。おかげさまで、役職とか地位とか学歴とか財産で人を判断してはいけないことを学ばせてもらった。それは昭恵さんに感謝してます」

 獄中記を通読すると、諄子氏の心が少しずつ穏やかになっていく様子が分かる。〈毎日が生かされて生きている実感がある。こんなに1日1日真剣に生きていただろうか。(中略)今、ほんの小さなことにも喜べる自分がいる。若い時は競争している相手に先を越されると苦痛にさえ感じ、自分をよく見せたい、褒められたいと、そんな小さな喜びを満たそうとしていた。恥ずかしい〉(17年10月30日「生かされて生きている」より)

泰「保釈されて、自分の人生で初めて自由な時間ができました。ジタバタしても仕方ない。少しでも社会に貢献するため何ができるのか、常に考えてます」

諄「今回の経験を通して、ものの見方が大きく変わりました。他人の痛みを自分のこととして感じることが増えてきたんです。今は、とにかく多くの人に役に立ちたい。残された人生、いかに自分を表現しながら社会貢献できるのか。燃えるような思いを抱いています」

 今回取り上げたのは本の中の、ごく一部。諄子氏の生い立ちや籠池家の秘密まで隠すところなく記されている。読者諸兄には、ぜひご一読いただきたい。

許せないを許してみる 籠池のおかん「300日」本音獄中記
¥1620

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