「大谷翔平は王貞治を超える世界のホームラン王になる」レジェンドが語った熱い思いの画像
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 通算本塁打868本の生きる伝説が、ずっと胸に抱いていた「日本の至宝」への熱い思い。その発言を追う――。

 全米を“二刀流フィーバー”に巻き込んだ大谷翔平(24)のメジャー1年目。打者としては打率2割8分5厘、22本塁打。投手としては4勝2敗、防御率3.31という成績で終わった。故障で欠場した期間もあったが、大谷の実力を十分に証明したと言えるだろう。「MLB公式サイトが行ったアンケート調査によると、実際の投票権を持つ記者の半分以上が、今年の新人王に大谷を推していました。最有力候補なのは間違いありません」(スポーツ紙記者)

 そんな大谷の大活躍に、誰よりも目を細めている野球人がいる。“世界の王”こと王貞治・福岡ソフトバンク会長(78)だ。後半戦、本塁打を量産する大谷を、王会長は番記者に、こう絶賛したそうだ。〈彼のホームランは、力みがなく、理想的な回転で打っているから美しい。パワーに任せて強振するメジャーの打者にはいないタイプだからね。本当にスゴイ〉

 そもそも王会長は、大谷の高校時代から、そのバッティングセンスを高く評価していた。当時、旧知のベテラン記者に打者・大谷の分析を、こう語っていたという。〈柔軟性がある体とふところの深さで、どんな球にも対応できるから打率も残せるし、それ以上に何より天性のパワーの持ち主。非凡なスラッガーだよ〉

 しかし、その一方、メジャー球団が投手として大谷をスカウトしていたことや、本人の二刀流挑戦の意志には懐疑的な見方をしていたようだ。「王さんは投手・大谷を認めなかったわけではありません。むしろ投手としても大絶賛していた。ただ、投手として超一流でも、打者としての才能は、それ以上だと見ていたんです」(スポーツ紙のベテラン記者)

 そして、王会長はこんなことを口にしていたという。〈大谷が打者に専念したら、僕のホームラン記録を抜けるスラッガーになれる〉 スラッガーはスラッガーを知る――。大谷は、自らの後継者にもなれる才能の持ち主だと感じていたのだ。

 2013年、大谷は日本ハムに入団。本人の強い意向で、二刀流に挑戦することが決まった。「当時、王さんは二刀流への挑戦に理解を示していました。ただ、王さんは気配りの人ですから、本心では思うところもあったはず。二刀流では打席数が限られますし、打者・大谷に期待する王さんは、これを惜しんでいたのではないでしょうか」(前同)

 二刀流・大谷のプロ1年目は、登板13試合で3勝0敗、防御率は4.23。打っては打率2割3分8厘、3本塁打と、投打とも目立った成績ではなかった。しかし、2年目は2割7分4厘、19本塁打で、長打率は5割5厘。投手としても11勝4敗、防御率2.61、奪三振179個と大ブレイク。投打とも一流選手の仲間入りを果たす。「16年には、打率3割2分2厘、22本塁打、10勝4敗、防御率1.86という、二刀流のキャリアハイを記録。大谷の挑戦を疑問視していた球界OBたちを、実力で黙らせましたね」(スポーツ紙デスク)

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